北海道に行きたいと思い続けて、何年が経っただろう。バイク乗りなら誰でも一度は夢見る、あの「地平線まで続く一本道」を自分のバイクで走ること。ようやくその夢を叶えた夏の話をしようと思う。
相棒はSR400。荷物を積み込んでフェリーに乗り込んだ瞬間、もうテンションが上がりすぎて眠れなかった。
オロロンラインを北上する
新日本海フェリーで小樽に着いたその日から、とにかく北を目指した。日本海側を北上するオロロンライン。天塩あたりまで来ると、道の両側が一気に開ける。左は海、右は原野。信号もない。車もほぼいない。
この日は朝から雨が降ったり止んだりで、テンションが上がりきらないまま走っていた。でもこのオロロンライン、雨上がりの濡れた路面が空を映し込んで、それはそれで最高の景色だった。「晴れだけが旅じゃない」ってこういうことだと思う。
エサヌカ線——ここで泣きそうになった
猿払村にある「エサヌカ線」。北海道のライダーなら誰もが知るあの道に、ついに来た。
写真で何度も見ていたけど、実際に立ってみると全然違う。地平線まで、本当にまっすぐ一本線が続いてる。右も左も原野と海。空が広すぎて、自分がどれだけちっぽけかがわかる。
しばらくバイクを止めて、ただ立ってた。何も言えなかった。風の音と、遠くで鳴く鳥の声だけ。
正直に言うと、ちょっと泣きそうになった。「ああ、来てよかった」って、心の底から思った。
美瑛・青い池
次に向かったのは美瑛。ここで一番楽しみにしていた場所がある。
「青い池」。Macの壁紙になったことで有名な、あの池だ。実物を見るまでは「加工してるんじゃないの」と半信半疑だったけど、本物だった。本当にこんな色をしている。
晴れた日の午前中に行くと逆光でなくて一番きれいに見えると聞いていたので、朝イチで行った。予想通り最高だった。枯れ木が水面から突き出ていて、SFみたいな景色。あの青さ、写真に収めてもちゃんと伝わるのが嬉しい。
北海道、また来る
フェリーで帰る日、甲板から北海道の陸地が遠ざかっていくのを眺めながら、もう次の計画を考えていた。知床に行くこと、道東の湿原を走ること、利尻・礼文に渡ること。まだ行けてないところが山ほどある。
北海道は広すぎる。SR400で行けるうちに、もっと走りたい。
エサヌカ線、ぜひ一度行ってほしい。写真より実物のほうがずっといい。ライダーじゃなくても、あの道の前に立てば何かが変わると思う。