家の棚に並んでいる中で、いまもっとも開ける頻度が高いウイスキーがAMAHAGAN(アマハガン)World Malt Metalic Label Edition。滋賀県長浜市の長濱蒸溜所が、自社モルトと海外モルトを掛け合わせて出している「ワールド・ブレンデッド・モルト」シリーズの限定ボトルだ。
長濱蒸溜所は2016年稼働、日本で最も小さなクラフト蒸溜所のひとつ。自社原酒だけでは熟成年数が足りなかった時期に、海外蒸溜所の原酒と組み合わせて世に出したのが AMAHAGAN シリーズで、ブレンディングの設計が世代を追って洗練されてきた。Metalic Label Edition は Tokyo Whisky & Spirits Competition 2023 金賞受賞作で、ブランドの現在地を示す一本。
30年熟成原酒を絡めた構成
公開されている構成は、30年熟成のモルト、長期熟成の長濱モルト、そしてシェリー樽で追熟したヘビリーピーテッド原酒の組み合わせ。アルコール度数47%。ノン・チル・フィルター、ノン・カラー(着色なし)。
ノーズはブラッドオレンジとパッションフルーツ、後半にチェリーとシェリー由来のレーズン。口に含むとソルテッドキャラメル、樽香、ベリーとナッツの厚み、フィニッシュにじんわりとピートの煙が残る。47度らしくしっかりした芯があり、ストレートでもロックでも崩れない。少量加水でフルーツの香りが広がるので、テイスティング向きの一本。
クラフト蒸溜所の今を映す一本
日本のクラフト蒸溜所は2010年代後半から急増した。秩父・厚岸・嘉之助・三郎丸・桜尾・岡山——名前を挙げきれないほど増え、各社が「単一蒸溜所のシングルモルト」と「世界の樽を絡めたブレンデッドモルト」の二本立てで個性を出している。長濱の AMAHAGAN は後者の代表格で、正直に言って「自社の若い原酒だけでは出せない深み」を、世界のモルトを使うことで意図的に作りに行っているシリーズだ。
シングルモルトの純粋さを追うか、ブレンドの設計力で勝負するか——日本のクラフトはどちらも面白い。Metalic Label は後者の現時点での到達点として、家の棚に置いておく価値がある。
長濱蒸溜所と AMAHAGAN シリーズ
長濱蒸溜所(2016年稼働)
滋賀県長浜市、琵琶湖北東部にある日本最小級のクラフト蒸溜所。地ビール会社の長濱浪漫ビールが運営。アルザス産のポットスチルを使い、限られたスペースで蒸溜と熟成を行う。
AMAHAGAN シリーズ
「Nagahama」を逆さに読んだ造語。長濱モルトに海外(主にスコットランド)モルトを組み合わせるブレンデッドモルトのレンジ。Edition No.1〜から始まり、ワインカスク、ピーテッド、シェリー、コーヴァル(米)など多彩なエディションが出ている。
Metalic Label Edition
2023年発売。30年モルトと長熟長濱モルト、シェリー追熟ヘビリーピーテッドを組み合わせ。47度、ノンチル、ノンカラー。Tokyo Whisky & Spirits Competition 2023 金賞。
正規流通でAmazon.co.jpで入手可能。