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ボリビアが、40年で最悪とされる経済危機に沈んでいる。中心にあるのはドル不足だ。外貨準備は2014年の151億ドルをピークに大きく減り、2026年3月末で35億ドル台。5月には主権債の発行で48億ドル台まで一時回復したが、2022年以来の高水準といってもピークの3分の1に届かない。長く国を支えてきた天然ガスの輸出が細り、輸入に必要なドルが慢性的に足りず、物価が上がる。1月には米州開発銀行(IDB)が最大45億ドルの資金パッケージを発表しており、準備の戻りはこうした外部資金に支えられた面が大きい。2023年初めから続くドル不足が、闇レートと燃料供給の目詰まりを生んでいる。

燃料危機と「粗悪ガソリン」

財政難のなか、政府は燃料補助金を打ち切り、働く人々に負担がのしかかった。輸入した質の低いガソリンが車両を傷めるとして、運輸労働者の抗議に火がついた。「粗悪ガソリン」をめぐるスキャンダルは、ストとデモの波へ広がった。ラパスやエル・アルトでは食料不足、一部の学校の休校、公共交通の混乱が起きている。

政権を揺らす抗議

2026年5月以降、ロドリゴ・パス大統領の退陣を求める抗議が激しくなり、6月初めには国防相と教育相が辞任した。経済団体によれば、道路封鎖は1日5,000万ドル以上を経済から奪い、約5,000台の車両が幹線道路で立ち往生したという。パス政権は2026年予算で財政赤字をGDP比15%から9%へ削る方針を示したが、痛みの配分が不満を呼んでいる。

資源依存の崩れ方

ボリビアの危機は、資源に依存した経済がどう崩れるかの典型だ。ガスが売れるあいだは外貨も補助金も回った。それが細ると、補助金の削減、通貨の不安定、物価高が一度に押し寄せる。そして痛みは、燃料代や食料に収入の多くを使う人ほど重い。リチウムという次の資源への期待はあるが、それが暮らしに届くまでには時間がかかる。資源国が「次の柱」を育てる前に支えを失うと、最初に削られるのは弱い立場の人の足元だ。

資源が支えていた暮らしは、資源が細るとき、いちばん弱いところから崩れる。

参考リンク

※ 本記事は公開情報をもとにした筆者の解説・私見です。最新の数字・日程・手続きは各国政府や一次情報でご確認ください。引用は最小限とし、出典を明記しています。