ボリビアが、40年で最悪とされる経済危機に沈んでいる。中心にあるのはドル不足だ。外貨準備は2014年の151億ドルから31億ドル台まで落ち込んだ。長く国を支えてきた天然ガスの輸出が細り、外貨が枯渇し、物価が上がる。2023年初めから続くドル不足が、闇レートと燃料供給の目詰まりを生んでいる。
燃料危機と「粗悪ガソリン」
財政難のなか、政府は燃料補助金を打ち切り、働く人々に負担がのしかかった。輸入した質の低いガソリンが車両を傷めるとして、運輸労働者の抗議に火がついた。「粗悪ガソリン」をめぐるスキャンダルは、ストとデモの波へ広がった。ラパスやエル・アルトでは食料不足、一部の学校の休校、公共交通の混乱が起きている。
政権を揺らす抗議
2026年5月以降、ロドリゴ・パス大統領の退陣を求める抗議が激しくなり、6月初めには国防相と教育相が辞任した。経済団体によれば、道路封鎖は1日5,000万ドル以上を経済から奪い、約5,000台の車両が幹線道路で立ち往生したという。パス政権は2026年予算で財政赤字をGDP比15%から9%へ削る方針を示したが、痛みの配分が不満を呼んでいる。
資源依存の崩れ方
ボリビアの危機は、資源に依存した経済がどう崩れるかの典型だ。ガスが売れるあいだは外貨も補助金も回った。それが細ると、補助金の削減、通貨の不安定、物価高が一度に押し寄せる。そして痛みは、燃料代や食料に収入の多くを使う人ほど重い。リチウムという次の資源への期待はあるが、それが暮らしに届くまでには時間がかかる。資源国が「次の柱」を育てる前に支えを失うと、最初に削られるのは弱い立場の人の足元だ。
資源が支えていた暮らしは、資源が細るとき、いちばん弱いところから崩れる。
参考リンク
- Euronews「経済危機への抗議でボリビアの閣僚が辞任」(2026-06-03) — euronews.com
- Al Jazeera「ボリビア危機:社会不安と大統領退陣要求が拡大」(2026-05-22) — aljazeera.com
- NPR「首都が抗議に包囲、パス政権の危機深まる」(2026-05-20) — npr.org
- Rio Times「ボリビア2026年予算:赤字15%→9%へ」 — riotimesonline.com
※ 本記事は公開情報をもとにした筆者の解説・私見です。最新の数字・日程・手続きは各国政府や一次情報でご確認ください。引用は最小限とし、出典を明記しています。