5月31日の第1回投票は、コロンビアの分断を予想どおりむき出しにした。右派のアベラルド・デ・ラ・エスプリエリャが43.7%で首位、左派のイバン・セペダが40.9%で続いた。13人が立った大混戦で、2人の差はわずか2.8ポイント。6月21日の決選投票まで、残りの票がどこへ流れるかが勝敗を決める。
デ・ラ・エスプリエリャという現象
刑事弁護士出身のデ・ラ・エスプリエリャは、ドナルド・トランプとアルゼンチンのミレイを手本に挙げる。「巨大刑務所」「軍の治安任務拡大」「小さな政府」という主張は、治安悪化に疲れた都市の中間層と、実業界をひきつけた。彼の43.7%は、ペトロが2022年に得た40%超を上回る。右翼ポピュリズムがコロンビアに根を張った、と語る分析も出ている。
セペダにつきまとうペトロの影
イバン・セペダは、上院議員として長く人権問題を追ってきた弁護士だ。ペトロ政権の「継続」をはっきり掲げ、社会保障の拡充と農地改革を政策の柱に置く。だがペトロ政権への評価は割れている。EPSをめぐる医療改革は止まり、治安悪化への対応は遅れ、いずれも批判の材料だ。「ペトロが始めたものを完成させる」という立場そのものが、有権者にはリスクに映る。
票はどこへ流れるか
13人の候補のうち、第3位以下の票を合わせるとおよそ15%になる。この分散した票がどちらへ動くかが、決選の鍵だ。中道系の票は構造的にデ・ラ・エスプリエリャへ向かいやすいと見る向きが多い。一方で都市の貧困層、農村部、社会運動の票は、セペダへ転じやすいとされる。3月に発足したトランプの対カルテル連合「シールド・オブ・ジ・アメリカス」に、コロンビアは加わっていない。デ・ラ・エスプリエリャが当選すれば加盟は現実味を帯び、米国との関係は大きく変わりうる。
6月21日に決まるのは大統領の名前だけではない。コロンビアがトランプの連合に入るのか、ペトロ路線で米国と距離を置くのか、そこも一緒に決まる。
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参考リンク
- CNN — cnn.com
- Al Jazeera — aljazeera.com
- Americas Quarterly — americasquarterly.org
- Time — time.com
- Colombia One — colombiaone.com
※ 本記事は公開情報をもとにした筆者の解説・私見です。最新の数字・日程・手続きは各国政府や一次情報でご確認ください。引用は最小限とし、出典を明記しています。