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6月11日、FIFA2026ワールドカップが開幕する。その出場国にハイチが名を連ねる。1974年の西ドイツ大会以来、52年ぶりだ。ここまでの道のりは、フットボールだけの話ではない。

ホームのないチーム

ハイチ代表は予選の全試合を国外で戦った。首都ポルトープランスの国立競技場は武装ギャングに事実上握られ、国際試合を開けない状態が続いていたからだ。クラサオなどの中立地を転々としながら、代表はCONCACAF最終予選グループCを3勝2分1敗で首位通過した。コスタリカとニカラグアを連続で破り、本大会への切符をつかんだ。

ディアスポラのグルナディエ

5月16日発表のロスターに並ぶ選手の多くは、北米や欧州のクラブに所属するハイチ系ディアスポラの二世・三世だ。国内でプレーすることが危険な今、それでも「ハイチ代表」として戦える顔ぶれを集めた結果である。2024年6月に就任したフランス人監督マルク・ミニェのもとで、チームはCONCACAF最大級の驚きへと駆け上がった。

カリブ海の国でW杯に複数回出たのはハイチだけだ。1974年以来となる今回の出場は、1チームでは最長級の「W杯不在期間」からの帰還でもある。

祝祭と現実の距離

6月13日に予定されているスコットランドとの初戦が、52年ぶりの舞台で踏む最初の90分になる。本国ポルトープランスでは今も武装集団が市内の大部分を支配している。国連の多国籍安全保障支援任務(MSS)が展開しているが、平穏を取り戻すまでの距離はまだ遠い。スタジアムで応援できない国民を背負って、代表チームが世界の舞台に立つ。その重さを、ハイチの人々はそれぞれの場所から受け止めることになる。

首都の競技場はギャングに奪われたまま。それでもハイチ代表は、観客席に自国民のいない世界の舞台へたどり着いた。

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※ 本記事は公開情報をもとにした筆者の解説・私見です。最新の数字・日程・手続きは各国政府や一次情報でご確認ください。引用は最小限とし、出典を明記しています。