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2023年、ホンジュラスは台湾と断交し、中国と国交を結びました。養殖エビを扱う輸出担当者たちは、人口14億の市場が目の前で開くと信じていました。3年が過ぎたいま、現実は逆を向いています。少なくとも95の養殖場が閉鎖し、2万5000人を超える雇用が消えました。期待した中国市場は、台湾の穴を埋めませんでした。

台湾という市場の重さ

2022年まで、台湾向けのエビ輸出は年間1億ドルを超えていました。ホンジュラスにとって台湾は、量と価格の両方で頼れる買い手だったわけです。断交した2023年を境に、この市場への販売は一気に落ちます。2025年時点で残ったのは1600万ドル。3年前の4分の1にも届きません。

埋まらなかった穴

中国が台湾の代わりになるはずでした。ところが市場参入の手続きには時間がかかり、価格競争も想像以上に厳しいものでした。安く大量に出せる供給国がほかにいる中で、ホンジュラス産のエビは思うように棚に並びません。14億人の市場は、開いているようで開いていなかったのです。

半分に縮んだ産業

いまも330社の養殖会社が操業を続けています。それでも、かつて年間1億ドル超を稼いだ輸出産業は、半分以下の規模に縮みました。加工工場も1つ閉鎖しています。業界団体は、外貨と雇用を取り戻すために台湾との関係回復が急務だと訴えています。エビは地方の雇用を支える基盤でした。打撃は一地域では終わりません。

2026年、針が逆に振れる

2026年1月に就任した新大統領は、就任直後に中国との協定の見直しを命じました。背景には、中南米各国に米国を選ぶよう迫るトランプ政権の圧力があります。新政権は台湾との関係修復も視野に入れていて、その根拠として持ち出されているのが、まさにエビ産業の数字です。外交の再転換が実現するかはまだわかりません。ただ、養殖場の損益が国の選択を動かしつつあることだけは確かです。

外交の決断は政治家が発表し、その代金は産業が払う。ホンジュラスのエビ漁師たちがいま、その請求書を手にしています。

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※ 本記事は公開情報をもとにした筆者の解説・私見です。最新の数字・日程・手続きは各国政府や一次情報でご確認ください。引用は最小限とし、出典を明記しています。