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中南米はとにかく魅力的な土地だ。コロニアルな街並み、火山と海、陽気な人たち、安くて旨い食べ物——僕はコスタリカに2年暮らし、メキシコ・ニカラグア・パナマ・エルサルバドル・ベリーズと歩いてきたが、また戻りたいと思える場所ばかりだった。

ただ、日本の感覚のまま歩いていると危ない、というのも事実だ。スリ・ひったくり・強盗・タクシーのボッタクリは、観光地でも普通に起こりうる。完璧に安全な場所などないし、運の要素もある。それでも、ちょっとした習慣を積み重ねるだけで「狙われる確率」は確実に下げられる、というのが何度かの滞在で身についた感覚だ。

この記事は、僕が中南米を歩くときに実際にやっていることをまとめたもの。プロの危機管理術ではなく、あくまで一旅行者の自衛策として読んでほしい。

大原則——強盗に遭ったら、抵抗しない

具体的な習慣に入る前に、いちばん大事な考え方を先に書いておく。

もし強盗に遭ったら、抵抗せず、求められたものを全部渡す。財布もスマホもカメラも、命に比べれば取るに足らない。相手を刺激しないことが、いちばんの安全策だ。

中南米では、武器を持った相手に出くわす可能性がゼロではない。物を惜しんで抵抗した結果、大怪我をしたり命を落としたりするのが最悪のシナリオだ。盗られて困るものは、そもそも持ち歩かない・分散しておく。そうしておけば、いざという時に「どうぞ」と差し出せる。この「割り切り」こそが、これから書く習慣すべての土台になっている。

後述するように、僕は財布を2つに分けている。街歩き用の財布を渡しても、ホテルにもう一つあるから旅は続けられる。「全部渡しても大丈夫」な状態を先に作っておくと、心にも余裕が生まれる。

お金は2つ以上に分散する

いちばん基本にして効果が大きいのが、財布を分けることだ。僕は最低でも2つに分けている。

ポイントは、街歩き用を「ダミー」と呼ぶほどみすぼらしくしないこと。失っても惜しくはないけれど、ある程度きちんとした財布にしている。あまりにボロい財布や空っぽの財布を渡すと、相手を苛立たせて「他にも持ってるだろう」と詰められかねない。少額でも自然に渡せる中身にしておくのがコツだ。

本命のカードやパスポートはホテルに残す。盗難に遭ってもカード1枚と少額の現金で済めば、被害は最小限で旅を続けられる。鍵付きのスーツケースや、客室の収納にワイヤーロックで荷物を固定しておくと、客室内でのトラブルにも一段備えられる。

ZHEGE TSAロック ワイヤー付き南京錠(2個セット)

ZHEGE / TSAロック対応 / 4桁ダイヤル式 / 弾性ワイヤー(全長80cm) / 2個入り

スーツケースのファスナーを留めるだけでなく、ワイヤーで荷物を客室の固定物にくくりつけたり、リュックのファスナー同士を留めて開けにくくしたりと応用が利く。鍵ではなくダイヤル式なので鍵を失くす心配がなく、TSAロック対応なので米国経由便でも税関で壊されない。2個セットなのでスーツケースと手荷物に1つずつ使える。

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貴重品は「見せない・抱える」

狙われるかどうかは、「金を持っていそうに見えるか」で大きく変わる。だから持ち物をできるだけ見せない

バッグそのものを防犯仕様にしておくのも効く。中南米のような環境では、ファスナーにロックがかかり、刃物で切り裂けない素材を使った「アンチセフト(盗難防止)バッグ」が安心だ。僕が使っているのは Pacsafe(パックセーフ)というブランドのもので、この分野の定番になっている。

Pacsafe Metrosafe X 盗難防止 25L バックパック

Pacsafe / 25L / 16インチPCスリーブ / 切り裂き防止素材(ステンレスメッシュ内蔵) / ロック付きファスナー / RFIDブロッキングポケット

本体生地に金属メッシュが入っていて刃物での切り裂きを防ぎ、メインファスナーはロックでき、ストラップにもワイヤーが通っている。RFIDブロッキングポケットでカード・パスポートのスキミング対策にもなる。前抱えしやすいサイズ感で、街歩きと1日観光にちょうどいい。「いかにも防犯」という見た目ではなく普通のリュックに見えるのも、かえって目立たなくて良い。

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Pacsafe アンチセフト・クロスボディ(小型ショルダー)

Pacsafe / Metrosafe・Vibe シリーズ / 切り裂き防止素材 / ロック付きファスナー / RFIDブロッキング / クロスボディ(斜め掛け)

リュックほど大荷物が要らない街歩きには、小型のクロスボディ(ショルダー)が便利。斜め掛けにして体の前で抱えれば、ひったくりに強い。財布・スマホ・パスポートだけ入れて軽く出歩く日に重宝する。Pacsafe は Metrosafe・Vibe など複数のクロスボディを出していて、容量と色で選べるので、自分の街歩きスタイルに合うものを。

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歩きスマホをしない

これは本当に大事。歩きながらスマホを見ない。地図を確認したいときは、立ち止まって、できれば店やカフェの中に入ってから見る。

道端でスマホを手に持ってうろうろしていると、「道に不慣れな外国人」「高いスマホを持っている」と二重に発信してしまう。バイクで近づいてスマホをひったくる手口は中南米の都市部では珍しくない。地図はあらかじめ頭に入れておくか、後述するオフライン地図で事前に確認しておくのが安全だ。

「危ない場所のサイン」を覚えておく

その通りに足を踏み入れるべきかどうかは、歩いていると空気で何となく分かるようになる。具体的なサインを言葉にしておくと、判断が速くなる。

こういうサインを感じたら、近づかない。すでに入ってしまっていたら、足を止めず早足で通り過ぎる。引き返す勇気も大事だ。「もう少し先に名所があるから」と無理に進まない。観光ルートでも、一本裏に入った瞬間に空気が変わる街は多い。明るい大通り・人通りの多い道を選んで歩くだけで、リスクはかなり減る。

暗くなる前にホテルへ戻る

同じ通りでも、昼と夜では別の場所になる。日が落ちる前にはホテルに戻る、というのを基本の行動原則にしている。夜にどうしても出かけるなら、徒歩はやめて、後述のUberでドアtoドアにするか、信頼できる店に直行・直帰する。

中南米は緯度が低く、日没後は一気に暗くなる土地が多い。「もう少し散歩を」が危険につながりやすいので、夕方の早い段階で「今日はここまで」と切り上げる習慣をつけておくと安心だ。

移動はUber。タクシーはできるだけ避ける

都市部での移動は、できる限りUber(や同種の配車アプリ)を使う。これは中南米の旅でいちばん変えてよかった習慣かもしれない。

配車アプリが安全なのは、仕組みとして次の利点があるからだ。

逆に、道で拾う流しのタクシーは絶対に使わない。料金も運転手も記録に残らず、ボッタクリ・遠回り・最悪は犯罪に巻き込まれるリスクまである。そしていわゆる公用(正規)タクシーも、「正規の表示があるから安心」とは限らない——ボッタクリや遠回りはむしろ普通に起こる。だから避けられるなら公用タクシーも使わないのが基本だ。Uberが使えない地域や、空港からの移動などでどうしても必要なときに限って、流しは拾わず、ホテル・レストランに呼んでもらうか、空港の正規オフィシャルタクシー窓口(事前料金制)を使う。

あまり知らない国では、バスや電車もできるだけ使わない。安い移動手段ほど、残念ながら治安リスクの高い人も集まりやすい。土地勘がつくまでは、多少お金がかかってもUber中心にする方が結果的に安全で、トラブルで失う時間とお金を考えれば割に合う。

入れておくと安心なアプリ

スマホは「歩きながら見ない」一方で、事前の準備と緊急時の備えとしては最強の道具になる。中南米を歩くなら入れておきたいアプリをまとめる。

そして地味に重要なのが通信の確保だ。地図もUberも翻訳も、ネットにつながっていないと使えない。海外用のSIM・eSIM・モバイルWi-Fiルーターのいずれかで、現地で常時オンラインでいられる状態を作っておく。「使い放題」系のプランやWi-Fi機器があると、地図を見るのも配車を呼ぶのもためらわずに済むので、安全のための投資だと思って用意しておきたい。

まとめ——習慣で「狙われる確率」を下げる

完璧に安全な旅などないし、それでも運悪く巻き込まれることはある。だからこそ、日々の小さな習慣で「狙われる確率」をコツコツ下げておくことに意味がある。最後にチェックリストとしてまとめておく。

防犯にすべての時間を使うために旅をしているわけではない。これらは「身構えて怯えるため」ではなく、安心して街を楽しむための土台だ。割り切るところは割り切って、空いた心の余裕で、中南米の街と人を存分に味わってほしい。

参考リソース

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