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シングルモルトの世界で「樽の違いが味をどう変えるか」をいちばん分かりやすく見せてくれるのが、ザ・マッカラン(The Macallan)の12年シリーズだ。同じ蒸溜所、同じ12年熟成、同じ40度、ボトルサイズも同じ。違うのは熟成に使った樽の構成だけ

うちの棚にはトリプルカスク・マチュアード(Triple Cask Matured)シェリーオーク・カスク(Sherry Oak Cask)を並べてある。同じテーブルで同時に開けると、樽がどれだけ味を決めるかが嫌でも理解できる。

ザ・マッカラン12年 トリプルカスクとシェリーオーク
左:ザ・マッカラン12年 トリプルカスク・マチュアード/右:シェリーオーク・カスク。

トリプルカスク・マチュアード — 軽やかでバランス型

トリプルカスクは、ヨーロピアン・オーク&アメリカン・オークのシェリー樽と、アメリカン・オークのバーボン樽の3種類の樽を組み合わせて熟成した構成。2018年からは「Fine Oak(ファインオーク)」の後継として現行ラインに入っている。

ノーズはバニラ、シトラス、軽いハチミツ、奥にレーズンの気配。口に含むとカラメルとオレンジ、少しスパイス。フィニッシュは中程度で、軽快で開放的。アペリティフ的に、または食中に、グラスに氷を入れずスっと飲むのに合う。

シェリーオーク・カスク — 重厚でドライフルーツ寄り

シェリーオークは、スペインのヘレス地方で組まれたシェリー樽(オロロソ系)のみで熟成した構成。マッカランが伝統的に守ってきたスタイルで、ブランドの本流と言える一本だ。

ノーズは熟したレーズン、ドライフィグ、シェリーらしいウェットなニュアンス。口に含むと厚みのある甘み、チョコレート、後半にスパイスとほのかな樹脂感。フィニッシュは長く、シェリー由来のドライフルーツが舌に残る。トリプルカスクが「明るい」とすれば、シェリーオークは「夜の」スコッチ。寒い季節にゆっくり飲みたい一本。

同じ蒸溜所・同じ年数・同じ度数で、樽の違いだけでこれだけキャラクターが変わる——シングルモルトの世界に「樽が9割」と言われる所以が、2本飲み比べると体感で分かる。

マッカランと樽の話

マッカラン蒸溜所(1824年免許取得)

スペイサイド、クレイゲラキ近郊。創業1824年は、スコッチ蒸溜所の中でも最古級の免許取得年。蒸溜所には「世界最小級のスチル」を標榜する小ぶりなポットスチル群があり、得られるニューメイク(蒸留したての原酒)は他蒸溜所と比べて凝縮感が高い。

樽政策

マッカランは樽を最重要視するブランドで、専用のシェリー樽プログラムをスペインのヘレスで運用。「樽が原酒の風味の60–80%を決める」という同社の有名な主張は、12年シリーズの飲み比べで実体験できる。

トリプルカスクの位置付け

2018年に「Fine Oak」を「Triple Cask Matured」にリブランディング。ヨーロピアン・オーク&アメリカン・オークのシェリー樽+アメリカン・オークのバーボン樽の3種を組み合わせる。シェリー樽中心のシェリーオークと比べ、軽快で甘やかな仕上がり。

両方ともAmazon.co.jpで正規流通。

参考リソース

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