チリの乾いた青空のあとに降り立ったのは、湿度の高い熱帯の空気が肌に貼りつく国だった。ベリーズ──中米にあって、英語を公用語にする珍しい国。コスタリカやニカラグアと同じ中米に位置しながら、かつての英領ホンジュラスとして歩んだ歴史が、周辺国とはまったく違う文化をつくっていた。
到着したのはベリーズシティ。国内最大の都市だが、首都ではない(首都は内陸のベルモパン)。カリブ海に面した港湾都市で、世界遺産グレート・バリア・リーフへの玄関口でもある。
夜明けのカリブ海
早起きして海へ出た。空がオレンジ色に染まり、カリブ海がその色を映している。チリの乾いた青空とはまったく異なる、湿度と熱帯の光がある風景だ。波は穏やかで、遠くに島の影が見える。こういう光景は早起きしなければ見られない。
朝食とストリートフード
ベリーズの朝食は豆と卵が基本だ。豆は黒豆をやわらかく煮たもので、揚げたプランテーン(料理用バナナ)とトルティーヤが添えられる。スパイスが効いていて、熱帯の朝にちょうどいい。
午後に「Sarita」というローカルアイスクリーム店へ。ライムとマンゴーのダブルスクープを頼んだ。南国の暑さに、フレッシュな柑橘の酸味が合う。ベリーズは英語圏だが、スペイン語が通じる場面も多く、スペイン語で注文できたのがありがたかった。
中国系スーパーで見つけた「日本」
ベリーズシティで驚いたのが、中国系のスーパーマーケットの多さだ。商店街の一角に「Asian Grocery」的な看板の店がいくつかあり、入ってみると中国食材に混じって日本食品が並んでいた。
Nishikiブランドの米(アメリカ産の日本米系短粒種)が$45という価格で並んでいた。中米にしては高いが、それだけ需要があるということだろう。清酒、醤油、インスタント麺……ベリーズのアジア系コミュニティの存在を感じる棚だった。
ベリーズは人口のほとんどがガリフナ、クレオール、マヤ、メスティソなどの多民族で構成されており、中国系移民も昔から多いという。食文化に混じり合いがあるのも、そういった背景があるようだ。
旅行ガイド(一般情報)
※本セクションは公開情報をもとに編集者が補足したものです。最新の入国・治安・営業情報は公式サイトでご確認ください。
ベリーズ入国の基礎
- 公用語は英語。中米で唯一英語を公用語とする独立国で、スペイン語・クレオール語・ガリフナ語も広く使われる。
- 通貨はベリーズ・ドル(BZD)。1 USD = 2 BZD で固定相場、米ドルもほぼ全店で流通する。
- 2025年現在、日本国籍は観光目的なら30日以内ビザ不要。入国時に往復航空券・滞在先の提示を求められることがある。
ベリーズシティの安全と移動
- 外務省海外安全情報ではベリーズシティ中心部の一部地区(南北セントラル)を含め「レベル1:十分注意」が出されている(2025年時点)。夜間の徒歩移動は控えるのが無難。
- 市内移動はラジオタクシー(緑ナンバー)が基本。Uber等の配車アプリは未普及。
- フィリップ・ゴールドソン国際空港(BZE)は市中心部から北西へ約16km、車で20〜30分。
食事と文化のヒント
- 朝食の定番は「Fry Jacks(揚げパン)」と豆・卵・プランテーン。屋台や食堂で5〜10 BZD程度。
- ベリーズはガリフナ・クレオール・マヤ・メスティソ・中華系が共存する多民族国家。食文化の重なりが街の特徴。
- 水道水は飲料に推奨されず、ボトル入りミネラルウォーター(Crystal等)が一般的。
📍 中南米の他のシリーズも読む
参考リソース
ベリーズと中米の旅行情報を1冊に——『地球の歩き方 中米編』はベリーズ・パナマを含む中米7か国を網羅した日本語の定番ガイド。
