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政治でも経済でもないニュースを、もうひとつ。2025年6月19日、イタリア・トリノで発表された「世界のベストレストラン2025」で、ペルー・リマの「マイド(Maido)」が世界一に選ばれた。料理のジャンルは、ニッケイ(日系)料理。日本の技法と、ペルーの食材が出会う料理だ。

ニッケイ料理とは何か

マイドは2009年にリマで開いた店で、日本の調理技術とペルーの豊かな食材を組み合わせる。生魚の扱い、出汁や醤油の感覚に、アマゾンやアンデス、太平洋の素材が重なる。寿司でも、ペルー料理でもない、その境目から生まれた第三の味。それがニッケイ料理だ。

移民の歴史が生んだ味

ニッケイ料理の背景には、移民の歴史がある。19世紀末から、多くの日本人がペルーへ渡った。慣れない土地で手に入る食材を、故郷の調理法で工夫するうちに、日本ともペルーとも違う料理が育っていった。マイドの世界一は、その百年以上の積み重ねが、世界の頂点で評価された瞬間でもある。移民が持ち込んだ包丁の使い方が、時間をかけて一つの食文化になった。

食が国境を越えるとき

中南米を旅していると、食がいちばん早く文化の壁を越えるのを何度も感じた。言葉が通じなくても、同じ皿を囲めば距離は縮まる。マイドの一皿は、日本と中南米という遠い二つが、移民という縁で結ばれてきたことの、おいしい証拠だ。日本人として中南米を歩いてきた身には、この世界一が少し誇らしい。次にペルーへ行く理由が、また一つ増えた。

移民が持ち込んだ包丁の使い方が、百年かけて世界一の一皿になった。

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※ 本記事は公開情報をもとにした筆者の解説・私見です。最新の数字・日程・手続きは各国政府や一次情報でご確認ください。引用は最小限とし、出典を明記しています。