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史上初めて48チームで争われるワールドカップが、米国・カナダ・メキシコの3か国で開幕しました。中南米からは南米6か国に加え、開催国メキシコ、そしてカリブ・中米の新しい顔ぶれが出場しています。第1節を終えて見えてきたのは、伝統国の苦戦と、小国の歴史的な一歩という対照でした。この記事は2026年6月19日・第1節終了時点の整理です(大会は進行中で、状況は日々動きます)。

何が起きたか

南米(CONMEBOL)6か国のうち、第1節で白星を挙げたのはアルゼンチンとコロンビアの2か国だけでした。アルゼンチンはアルジェリアを3-0で下し、リオネル・メッシがハットトリックを達成。コロンビアはウズベキスタンに3-1で勝ち、ダニエル・ムニョス、ルイス・ディアス、ハミントン・カンパスが得点しました。

一方で、優勝候補のブラジルはモロッコと1-1、ウルグアイもサウジアラビアと1-1で引き分け発進。エクアドルはコートジボワールに0-1で敗れ、パラグアイは開催国アメリカに1-4と大敗しました(6月12日、アメリカはフォラリン・バログンの2得点など)。

対照的だったのが開催国メキシコです。第1節で南アフリカを2-0、続く第2節でも韓国を1-0(ルイス・ロモが後半50分に決勝点)と連勝し、勝ち点6で早々にラウンド32入りを決めました。

枠が増え、顔ぶれが変わった

今大会は、出場枠が32から48チームに拡大した最初のワールドカップです。12組×4チームで予選リーグを戦い、各組上位2チームに加えて「3位の上位8チーム」が、新設されたラウンド32に進みます。

枠の拡大は、中南米の地図も塗り替えました。CONCACAF(北中米カリブ)からは、最後の直接出場枠をパナマ・キュラソー・ハイチが獲得。キュラソーは史上初出場、ハイチは約52年ぶりの復帰、パナマは2大会ぶり2度目の出場です。

伝統国の重さ、小国の軽やかさ

第1節の南米勢を一言で言えば「勝ち切れない」でした。ブラジルとウルグアイのドロー発進、エクアドルとパラグアイの黒星。優勝候補が初戦でつまずく光景は珍しくありませんが、48チーム制では3位でも勝ち上がれるぶん、取りこぼしの代償が読みにくくなっています。逆に、勝ち点1の価値も上がりました。

そのなかでメキシコの2連勝は、開催国の地の利——移動の少なさ、観客、慣れた標高と気候——を最大限に生かした滑り出しに見えます。そしてもう一つの主役が、初めて世界の舞台に立つカリブの小国たちです。人口十数万のキュラソーが、ブラジルやアルゼンチンと同じ大会のピッチに立っている——この事実そのものが、今大会の中南米を象徴しています。

筆者の視点

僕は補装具費支給制度や社会保障を研究していて、コスタリカをはじめ中南米に長く関わってきました。その経験から見ると、ワールドカップは単なるスポーツイベントではありません。中南米では、サッカーは地域のアイデンティティであり、ときに「自分たちもここにいる」と世界に示す数少ない回路です。

だからこそ、キュラソーやハイチのような小国・困難を抱える国の出場には、勝敗を超えた意味があります。ハイチは治安と政情の危機が続くなかでの復帰でした。代表チームが世界に映る瞬間は、国内の人々にとって誇りと結束の象徴になります。一方で、僕はその華やかさの裏側も忘れたくありません。スタジアムの熱狂と、日常の不平等やアクセスの壁は地続きです。サッカーが見せる「包摂」の物語が、ピッチの外の社会にどれだけ届くのか——障害福祉を見てきた立場からは、そこまで含めて大会を眺めたいと思っています。

第1節は、伝統国にとっては「まだ何も決まっていない」、新顔にとっては「すでに歴史をつくった」段階です。次節以降、南米勢が立て直せるか、そしてカリブ勢がどこまで戦えるかを追っていきます。

用語メモ

Conmebol(コンメボル)は南米サッカー連盟で、今大会は6か国が出場しています。Concacaf(コンカカフ)は北中米カリブサッカー連盟。Ronda de 32/Round of 32は、48チーム制で新設された決勝トーナメント初戦「ラウンド32」を指します。

人口十数万のキュラソーが、ブラジルやアルゼンチンと同じピッチに立つ——第1節は、その対照そのものでした。

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参考リンク

※ 本記事は公開情報をもとにした筆者の解説・私見です。最新の数字・日程・手続きは各国政府や一次情報でご確認ください。引用は最小限とし、出典を明記しています。