中南米への直行便は日本からはなく、北米経由で乗り継ぐと片道20時間を超えることもざらにある。長距離フライトはどうしても疲れるが、機内で「何を持ち込むか」と「どう過ごすか」を少し工夫するだけで、体への残り方がだいぶ変わる、というのがいくつかのフライトを経て掴んだ感覚だ。
ただし、エコノミー席はとにかくスペースがない。グッズを積み込みすぎるとかえって出し入れが面倒になり、結局使わない。だから優先順位は「小さく使えるもの」「出し入れしやすいもの」「なくしても困りにくいもの」。この3つを軸に、いつも持ち込んでいるものを紹介する。
寝る——空気式ネックピロー
以前は低反発のしっかりしたネックピローを2つほど買って試したが、どちらも結局使わなくなった。理由はシンプルで、体積が大きくて荷物になるのが嫌だった。機内に持ち込むまでの「手間」が、機内での「快適さ」に勝ってしまったということだ。
その点、空気で膨らませるTabine minimalU+のような空気式ピローは、使わないときは小さく畳めて、リュックの隅に収まる。低反発ピローほどガッチリ首を固定してはくれないが、機内で「軽く首を支える」用途としては必要十分。乗り換えのある路線でも、移動の合間に空気を抜いて畳んでおけるのがありがたい。
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映画と音——有線イヤホンと2ピン変換アダプタ
機内エンタメは普段Bluetoothイヤホンで済ませたいところだが、長距離フライトに関しては有線に戻した。きっかけは一度のフライトでBluetoothイヤホンを2回落としたこと。1回目は寝ている間に外れて、後ろの席の人が拾って渡してくれた。2回目は手が当たって座席の隙間に飛んでいき、フライトアテンダントの方に見つけてもらって「見つかってよかったですね」と笑われた。
それ以降、機内ではfinal E3000のような手頃な有線イヤホンを基本にしている。値段の割に音はしっかりしていて、機内モニター程度の音源には十分。何より、なくした時の心理的ダメージが小さいので「気を張らなくていい」のが楽だ。
ただし機材によっては、機内モニターのイヤホン端子が2ピン式になっていることがある。普通の3.5mm有線イヤホンはそのまま挿さらないので、小さな変換アダプタを1つ常備しておくと安心だ。安いし軽いし、なくても困らないが、ある日突然必要になる類のもの。
ワイヤレス派には Bluetoothトランスミッター
「やっぱりノイキャンのワイヤレスで映画を見たい」という人には、Bluetoothトランスミッターという手もある。機内モニターのイヤホンジャックに挿すと、モニターの音声をBluetoothで自分のワイヤレスイヤホンに飛ばせる。Twelve South AirFly Pro / Pro 2がこのジャンルでは定番で、2ピン端子にも対応している。
機内モニターと自分のお気に入りのイヤホンを組み合わせられるのは魅力的だが、寝落ちしやすい人はBluetoothイヤホンを落とすリスクは引き続きあるので、自分の睡眠スタイル次第で。
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仕事資料は iPad・スマホに入れておく
エコノミー席でノートパソコンを開くのは、前の人がリクライニングを倒した瞬間に詰む。出張前提で資料に目を通したい時は、PDFやスライドを事前にiPadやスマホに同期しておくのが現実的だ。読むだけ・軽い赤入れだけなら、これで足りることが多い。
クラウド同期だと機内Wi-Fiが不安定な時に困るので、ローカルにダウンロードしておくのが安心。これは「持ち物」というより「準備」の話だが、機内に乗り込む前に5分だけ確認しておくと、フライト中のストレスが目に見えて減る。
足元——機内スリッパより、最初から楽な靴
機内用スリッパや使い捨てサンダルに履き替える方法もあるが、個人的には脱いだ靴の置き場に困るのが気になっていた。狭い足元に靴を置くと出入りのたびに引っかかるし、シートポケットには入らない。荷物が多い時はさらに扱いにくい。
それなら最初から、空港からOOFOS OOriginalのようなサンダル系の楽な靴で出発してしまう方が合理的だった。脱ぎ履きが要らず、機内ではそのまま伸ばせばいい。気候や航空会社のドレスコード(一部の上位クラスや国際線でサンダルNGの場合あり)には事前確認を。
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機内で使う小物は、小さなポーチにまとめる
有線イヤホン・2ピン変換・リップクリーム・目薬・充電ケーブル・常備薬・耳栓——機内で使うものは、大きな機内バッグから毎回取り出すのではなく、小さなポーチ1つにまとめて座席のシートポケットに入れておくと出し入れが圧倒的に楽だ。隣の人にお願いして上の収納から荷物を出してもらう手間も減る。
ガジェットポーチ系(UGREEN や無印良品のメッシュケースなど)が、仕切りがあって中身が見やすく便利。大きさは「シートポケットに入る幅」を目安に選ぶといい。
まとめ
長距離フライトを少しでも楽にするコツは、「全部揃える」ことではない。むしろ自分のフライトスタイル(寝る派/映画派/作業派)に合わせて1〜2品ずつ試す方が、結果的に荷物も減り、機内でのストレスも減る。
個人的に外せないのは、有線イヤホン・2ピン変換・小型ポーチの3つ。これだけは毎回手元に置いている。あとは、その時々のフライト時間や寝るかどうかで、空気式ピローと楽な靴を足すかどうかを決めている。
機内で「あれ持ってくればよかった」と後悔した記憶があれば、次のフライトでまず1つ追加してみる、くらいの試し方で十分だと思う。
20時間超のフライトでも、ちょっとした準備の差で着いた瞬間の体力残量がだいぶ違う。詰め込まず、削りすぎず、自分の旅のスタイルに合うラインを探していくのが、いちばんの「快適」への近道だと思う。