2025年1月、パナマシティ。パナマ・ビエホの遺跡を見た後、街の中心部に向かった。パナマシティは中米で最も都市化が進んだ街で、高層ビルが林立するスカイラインが印象的だ。海沿いの遊歩道から見る景観は、中米の他の国とはまったく違う空気がある。
マリスコス市場 — 壁に日の丸
最初に向かったのがメルカード・デ・マリスコス(Mercado de Mariscos)、マリスコス市場だ。パナマシティの海沿いにある魚介市場で、観光客にも地元の人にも知られている場所だ。
建物の側面を見ると、「PANAMA - JAPON」という文字と日の丸が描かれていた。日本の協力で建てられた施設らしい。中米の魚市場で日の丸を見るとは思っていなかった。
1階は魚介の市場で、白い制服を着た業者が魚を並べたり捌いたりしている。マグロ、ヒラメ、海老、タコ——品数が多い。2階はレストランになっていて、1階で買った魚をそのまま調理してもらうこともできる。
カスコビエホ — ユネスコ世界遺産の旧市街
翌日はカスコビエホ(Casco Viejo)へ。1997年にユネスコ世界遺産に登録されたパナマシティの旧市街で、スペイン植民地時代の建築が残っている。
石畳の路地と色づいた建物が続く。白い壁と黒いアイアンのバルコニーが交互に続く通り、修復中のまま放置されたような建物、飲食店やギャラリーが入ったリノベーション物件——新旧が混在している。ニカラグアのグラナダに似た雰囲気があるが、背後にパナマシティの高層ビルが見えるのが独特だ。
路地を歩いていると、建物の壁に描かれた大きな壁画が目に入った。ポップなタッチで人物が描かれたアート作品で、修復途中のような古い壁面との対比がきれいだった。
カスコビエホでクナ族の民芸品「モラ」を買った。パナマの先住民族クナ(グナ)族が作る布製の刺繍細工で、幾何学模様と動植物のデザインが特徴的だ。色鮮やかで、お土産として迷わず選んだ。
ムセオ・デル・カナル — 運河の歴史博物館
カスコビエホの一角にあるムセオ・デル・カナル・インテロセアニコ(Museo del Canal Interoceánico)にも立ち寄った。パナマ運河の建設から現在に至るまでの歴史を扱う博物館で、カスコビエホの中では規模の大きい施設だ。
1931年のパナマ初のクーデターに関連した旗の展示や、植民地時代から現代への歴史の変遷が丁寧に解説されていた。運河が単なる土木工事ではなく、パナマという国の成立そのものと結びついていることが伝わってくる内容だった。
パナマシティは「運河を見る場所」だと思っていたが、カスコビエホの旧市街も見応えがあった。中米の中ではかなり都市化が進んでいて、コスタリカともニカラグアとも違う空気がある。