春の千葉をXSR900で走ってきた。目的地に選んだのは笠森観音。長柄町の山中に立つ古刹で、岩盤の上に組まれた堂は日本唯一の建築形式として知られている。県内在住でも、なかなか足を運ぶ機会がなかった場所だった。
笠森観音
正式名称は笠森寺。平安時代に創建されたと伝わる天台宗の古刹で、本堂は天然の岩盤の上に61本の柱を立てた四方懸造りという構造だ。この建築形式は国内でここだけとされており、国の重要文化財に指定されている。
左:境内の仁王像。威圧感のある顔。中:古木の洞越しに望む観音像。右:境内のくろねこCAFEの抹茶ドリンク。
キョンとイノシシを食べた
参拝を終えたあと、境内近くのお店でジビエを食べた。メニューに「キョン」と「イノシシ」の串焼きがある。
キョンは、台湾・中国南部原産の小型のシカだ。千葉では、閉園した動物園から逃げ出した個体が野生化し、現在は南房総を中心に数万頭が生息している。農業被害が深刻な特定外来生物で、駆除・利活用の一環としてジビエ料理に使われることがある。
お箸に焼き印で動物の名前が入っていた。これを見た瞬間から食べる前から楽しい。雨が降ったり止んだりしていたが、ちょうど雨が上がったタイミングだった。
キョンの肉は癖が少なく、あっさりしていた。イノシシは逆にしっかりと風味があって、野性味がある。どちらも千葉に来なければ食べられない味だと思う。
昼食 — 江ざわの担々麺
帰り道に立ち寄ったのが江ざわ。辛みと胡麻の旨みが効いた担々麺が名物で、地元でも人気の一軒だ。ネギが山盛りに乗った見た目の通り、スープの奥行きがある。ツーリング後の空腹に、辛くてコクのある一杯はよく染みた。
XSR900で千葉の山道を走る
房総半島の内陸は交通量が少なく、緑の中を延びる快走路が多い。山岳地帯のような標高変化はないが、その分ペースを崩さずずっと走っていられる。XSR900のハンドリングが軽快で、カーブの続く山道でも疲れを感じなかった。
SR400から乗り換えてしばらく経つが、3気筒の滑らかさと力強さには毎回感心する。SRの鼓動感は恋しくなることもあるが、長距離の快適さはXSR900のほうが断然上だ。
地元・千葉は「走り慣れた道」と思っていたが、笠森観音のような場所がまだある。目的地をひとつ決めるだけで、知っている県内が全く違う旅になる。
旅行ガイド(一般情報)
※本セクションは公開情報をもとに編集者が補足したものです。最新は公式サイトで確認してください。
笠森観音(笠森寺)の見どころ
- 創建: 784年(延暦3年)、伝教大師最澄の刻んだ十一面観音を本尊とする天台宗別格大本山
- 四方懸造(しほうかけづくり): 日本唯一の建築形式、岩盤の上に61本の柱を立てて本堂を支える
- 国重要文化財: 本堂は1908年(明治41年)に旧国宝指定、現在は国重文
- 坂東三十三観音: 第31番札所、巡礼地として古くから参拝者を集める
房総のジビエとキョン
- キョン: 台湾・中国南部原産の小型シカ、千葉県では1980年代に動物園から脱走した個体が野生化
- 個体数: 県内推定数万頭、特定外来生物に指定され農業被害が深刻
- ジビエ利活用: 駆除個体を地域資源として食肉化、千葉県内の一部飲食店で提供
- イノシシ: 房総半島南部に多く生息、こちらも農業被害対策とジビエ利活用が並行
房総ツーリング・季節
- ベストシーズン: 3月下旬〜5月(桜・新緑)、10月〜11月(紅葉)。真夏は日陰の少ない区間で熱中症注意
- 主要ルート: 国道410号・国道465号・もみじロード・養老渓谷など
- アクセス: 笠森観音は圏央道・茂原長南ICから約10分、東京から日帰り圏
- 注意: 房総内陸はガソリンスタンドが少ないので満タンで出発推奨