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ペルーで6月7日、大統領決選投票が行われた。保守派のケイコ・フジモリと左派のロベルト・サンチェスが接戦を演じ、開票はいまも続いている。ラテンアメリカで右傾化が続くなか、フジモリ家の三世代にまたがる政治の系譜が、あらためて問われた一日だった。

数字が示す分裂

4月の第一回投票でフジモリは17.2%、サンチェスは12.0%を得票した。二人を合わせても有権者のわずか三割に届かない。候補者は数十人に上り、誰も過半数に近づけなかった。直近の世論調査(6月3日、Ipsos)ではフジモリ43.2%・サンチェス43.8%と誤差の範囲の僅差で、有権者の13%が白票・棄権を示唆していた。勝者は7月28日に就任し、暫定大統領から政権を引き継ぐ。

フジモリという名前の重さ

ケイコは、人権侵害と汚職で有罪となったアルベルト・フジモリ元大統領の娘であり、みずからも長年にわたり汚職容疑の裁判を抱えてきた。今回は三度目の大統領選挑戦だ。支持者は「安定と秩序」を求め、反対派は「フジモリ主義の復活」を恐れる。対するサンチェスは左派連合の候補で、過激な社会主義路線とは距離を置く中道左派の立場をとる。2021年にカスティジョが左派票を束ねて僅差で勝利したが、議会との対立で2023年に罷免されて以来、ペルーは政治的空白の時間を過ごしてきた。

「どちらがマシか」という選択

今回の構図は右対左だが、実態は「反フジモリ票をどこに集めるか」という分極化の産物でもある。チリ・アルゼンチン・ボリビアで左派から右派への政権交代が続くなか、ペルーが同じ波に乗るか踏みとどまるかに地域の視線が集まる。どちらが勝っても、不平等・犯罪・腐敗という積み残しの課題は消えない。有権者の五人に一人が「棄権する」と答えた世論調査は、その閉塞感を数字で映している。

誰が勝っても、ペルーが直面する問いはひとつ——なぜ有権者の過半数が、誰にも投票しなかったのか。

参考リンク

※ 本記事は公開情報をもとにした筆者の解説・私見です。最新の数字・日程・手続きは各国政府や一次情報でご確認ください。引用は最小限とし、出典を明記しています。