中南米の政治・経済・社会・保健医療福祉などを、現地の一次情報をもとに、翻訳ではなく事実と出典を重視して解説します。

7月28日の独立記念日、ケイコ・フジモリがペルー大統領に就任します。選挙で選ばれた初の女性大統領ですが(初の女性大統領は2022年に昇格したボルアルテ氏)、確定得票率は50.1%対49.9%の薄氷。政権を待つのは、二院制に戻った断片化した議会と治安・経済・先住民対話という3つの難題です。

ハイチの暫定選挙評議会が8月30日の大統領・議会選に向け316政党を承認。しかし首都の約9割はギャング連合の実効支配下にあり、治安部隊GSFへの拠出も遅れています。10年ぶりの選挙が問う「手続きではなく力の問題」を解説します。

エクアドルのノボア大統領が6月18日、大統領令424号で三度目の国内武力紛争宣言を発令。外国軍人への免責付与と、要件を定めない恩赦の権限が盛り込まれました。ギャング暴力が過去最悪を記録するなかで、「例外」が常態化していくことの意味を解説します。

10月のブラジル大統領選まで3か月。党大会は7月20日〜8月5日、TSEへの候補者登録の締め切りは8月15日で、構図が正式に固まるのはこれからです。7月1日公表のAtlasIntel/Bloomberg調査は決選投票想定でルーラ48.8%、フラーヴィオ・ボルソナーロ42.3%。中南米ウォッチャーの視点で争点と行方を読み解きます。

2026年6月、メキシコの殺人が2015年以来11年ぶりの低水準に。1日あたりの件数は2024年9月のピークから48%減(前年同月比では32.5%減)。一方でシェインバウム政権が「唯一下げられていない」と認めた恐喝の問題を、統計と体感のギャップから読み解きます。

アルゼンチンのミレイ大統領が、予算が枯渇した省庁を自動的に「停止」できる法案を準備中と表明。米国のシャットダウンをモデルと説明しますが、中身はかなり異なります。憲法学者が指摘する論点と、「国家縮小」を制度で固める狙いを解説します。

米軍によるマドゥロ拘束から半年。副大統領から職務代行に就いたデルシ・ロドリゲス氏の「暫定」は、憲法が定める上限180日を7月3日に迎えました。それでも選挙の告示はなく、国民議会も動きません。第233条・第234条の条文を確認しながら、条文と運用のずれを整理します。

5月に就任したコスタリカのフェルナンデス大統領が、治安関連法案の第2弾を7月27日に国会へ提出すると表明しました。柱は引き渡し拡大・完全服役・違法採掘の厳罰化、そして司法権の「改造」。軍隊を持たない国で治安強化が司法改革の形をとる構造を解説します。

コロンビア国家選挙評議会(CNE)が6月の決選投票の集計を確定し、アベラルド・デ・ラ・エスプリエラを正式に大統領当選者と宣言。25万票差という史上最小の接戦、不正主張の却下、議会多数派づくり、そしてペトロ政権が残すものまで、国内政治の論点を整理します。

6月23日、ペルーでケイコ・フジモリの当選が事実上確定しました。この半年余りでチリ(2025年12月)・コロンビア・ペルーが相次いで右派・保守派政権を選び、2023年末のアルゼンチンからの流れが鮮明に。「ラテンアメリカ右傾化の波」の中身を解説します。

エルサルバドル立法議会が非常措置の第52回延長を57対1で可決した。累計逮捕者は9.2万人超、殺人発生率は激減する一方、米州人権委員会は拘禁中の死者500人を報告。治安と法治をめぐる「2つの真実」を解説します。

10月のブラジル大統領選を前に、右派候補フラーヴィオ・ボルソナーロ上院議員と、詐欺の疑いで拘束された銀行家ダニエル・ヴォルカロをつなぐ音声が浮上しました。父の伝記映画「Dark Horse」の資金をめぐる疑惑で、決選投票の世論調査ではルーラ大統領が先行しています。2026年6月20日時点で、報じられている事実を留保つきで整理します。

ボリビアのロドリゴ・パス大統領は2026年6月20日、全国に90日間の非常事態を宣言しました。燃料補助金の撤廃をきっかけに始まった道路封鎖は50日を超え、輸送の停滞で少なくとも17人が死亡。軍と警察に封鎖の強制排除を命じる今回の措置を、背景から整理します。

10月のブラジル大統領選に向け、6月公表のCNT/MDA調査で現職ルーラが決選投票想定で再びリードを広げました。父の収監後に擁立された息子フラーヴィオ・ボルソナーロとの構図、治安と経済という二大争点、そして社会政策の実績が情勢を動かす理由を僕の視点で解説します。

7月のUSMCA初回再審査を前に、メキシコのシェインバウム大統領が米国に向けて「内政に口を出すな」と強い言葉を返しました。一方でJPモルガンCEOとは投資を協議。強硬姿勢と投資誘致を同時に進める、その「使い分け」の構図を、国家主権と社会政策の観点から読み解きます。

2026年2月に始まった米国の燃料封鎖から4ヶ月。ハバナではごみ収集車106台のうち44台しか動かず、停電が毎日続く。乳幼児死亡率は9.9‰に上昇し、観光業は崩れた。封鎖の現実を追います。

ボリビアで5月初旬に始まった抗議運動は、賃上げ要求から大統領退陣要求へと変質した。封鎖は9県のうち6県に広がり、議会は軍の出動を認めた。6月19日の政労合意を経て、封鎖は6月23日に53日で全面解除。封鎖が医療を止めた現実を解説する。

ペルーで6月7日に行われた大統領決選投票は、7月3日にケイコ・フジモリの当選が確定した。50.13%対49.87%、その差は約5万票。ラテンアメリカの右傾化と、フジモリ家三世代の政治の系譜、そして白票と棄権が映す分極化を解説する。

ペルー大統領選の決選投票は、開票100%でケイコ・フジモリが約4万9千票差でロベルト・サンチェスを下し当選が確定。在外票が決め手となった。南北に割れた票の地図を読む。

5月31日の第1回投票で右派デ・ラ・エスプリエリャが43.7%、左派セペダが40.9%。差は2.8ポイントだった。6月21日の決選はデ・ラ・エスプリエリャが49.66%対48.70%で制し、8月7日に就任する。分散票の行方と両候補の争点を解説する。

チリのホセ・アントニオ・カスト大統領が6月1日、就任後初の年次施政方針演説(クエンタ・プブリカ)を議会で行い、治安強化・歳出削減・移民規制を改革の柱に掲げました。一方で第1四半期のGDPはマイナス成長、失業率は3年以上8%超が続き、支持率も低下。分断した議会のなかで法案をどこまで通せるかが問われます。2026年6月時点の整理です。

第1回投票(5月31日)で右派の弁護士デ・ラ・エスプリエリャが43.7%で首位、ペトロ大統領が後継に指名した左派セペダ(40.9%)が続いた。6月21日の決選は49.66%対48.70%の僅差でデ・ラ・エスプリエリャが制し、8月7日に就任する。下馬評を覆した結果と、医療・社会保障改革の行方を現地報道をもとに解説する。

ブラジル史上最大級ともいわれる「バンコ・マスター事件」。消失資金は約120億レアル、預金保護のFGC支払いは史上最大の410億レアル、被害債権者は約160万人。疑惑はルラ政権の周辺とボルソナロ陣営の双方に届き、10月の大統領選を揺さぶる。ラヴァ・ジャットの再来かを整理します。

2025年12月の決選投票で右派のホセ・アントニオ・カストが58%で勝利し、2026年3月に就任した。独裁以降で最も右寄りの政権が、移民と治安の強硬路線を掲げる。チリの右傾化が社会政策に何を意味するかを現地報道をもとに解説する。

ブラジル連邦最高裁(STF)の空席を埋めるはずだったルラ大統領の人事案が4月29日、上院で否決されました。賛成34・反対42。指名された判事が議会に弾かれたのは1894年以来132年ぶり。10月の選挙を前に、行政と立法の対立が司法人事にまで及んだ意味を読みます。

1月3日に米軍がマドゥロを拘束し、2日後にデルシ・ロドリゲスが暫定大統領に就いた。だが5か月たっても選挙の日程は曖昧なまま。チャビスモの体制を引き継いだ女性大統領が選んだ道を、現地の文脈から読み解きます。

米通商代表部(USTR)は7月15日、通商法301条にもとづきブラジルからの輸入品に25%の追加関税を課すと発表しました。発効は7月22日。昨年の50%より低い税率ですが、法的な足場はむしろ固くなっています。数字の読み方を解説します。

チリのキロス財務相が2026年下半期の回復を宣言。銅価格予測はトン1万2,700ドルへ上方修正され、鉱業投資パイプラインは1,050億ドル規模に。カスト政権の緊縮下で始まる資源主導の回復と、政府2%超・民間1.3%という見通しの差が意味するものを解説します。

ボリビア国家統計院が公表した2026年上半期の物価データは、累積4.82%・前年同月比9.23%。約53日続いた道路封鎖と燃料危機が直撃した数字の背景に、ガス収入の崩壊という構造問題があります。パス政権が向き合う課題と、封鎖の代償を最も重く払う人たちについて解説します。

INDECが2026年7月14日に公表した6月の月次インフレ率は1.9%。2025年8月以来はじめて2%を割りました。ただし前年同月比は33.5%、上半期累積16.8%。ミレイ大統領の就任時は月25%超でした。月次と年間で見え方がまったく違う数字を、中南米経済を追う視点から読み解きます。

USTRがブラジル産品への25%追加関税を勧告し、7月15日に発動が決定(7月22日発効)。認定は違法森林伐採など6分野に及びますが、最も新しい火種は中央銀行が運営する無料の即時決済システム「Pix」です。決済インフラそのものが通商摩擦の争点になった経緯を解説します。

ケイコ・フジモリ氏の就任まで1週間余り。新政権が経済の柱に据える鉱業をめぐって、640億ドルの案件パイプラインと63億ドルの年間投資という桁の違う数字が混線しています。閣僚人事の現在地とあわせて、確定していることとしていないことを整理します。

2026年7月2日、計画発表から18年を経てサンパウロ地下鉄6号線(オレンジ線)の第一区間が開業しました(着工は2015年)。総工費190億レアル、フル稼働で1日63万人。なぜ18年もかかったのか、数字の読み方を解説します。

7月1日の共同審査で、米国はUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の16年延長に同意しないと表明しました。協定は失効しませんが、2036年の期限まで毎年「延長するか」を問い直すモードに。メキシコ製造業とニアショアリングへの影響を解説します。

6月21日の決選投票でコロンビア大統領に選出されたアベラルド・デ・ラ・エスプリエラは、ペトロ政権の脱炭素路線を覆し、石油・ガス産業の再活性化を最優先に掲げます。史上最多級の得票を集めながら対立候補との差は約0.96ポイント。8月7日の就任を前に、彼の経済アジェンダの行方を整理します。

中南米・カリブの多くが低成長にとどまるなか、人口約80万人のガイアナだけが別次元の数字を出しています。財務大臣は2026年の実質GDP成長率を16.2%と見込み、IMFは2027年を19.7%と予測。沖合の海底油田が支える高成長と、その裏にある「オランダ病」や領土問題のリスクを、2026年6月時点の報道をもとに読み解きます。

ブラジル中央銀行は6月17日のCopomで政策金利Selicを25bp引き下げ、年14.25%としました。3月・4月に続く3会合連続の利下げです。ピークの15.00%から0.75ポイント下げてなお高水準にとどまる理由と、25bp刻みという慎重なペースの意味を解説します。

マドゥロ拘束から半年、ベネズエラの石油生産が日量約110万バレルまで回復し、対米輸出は前年比約192%増と報じられます。制裁緩和とチェブロン等の増産が背景。ただし政治囚400人超が残るなど、回復の足元には課題が積み上がっています。

アルゼンチン統計局(INDEC)が6月11日に発表した5月の消費者物価は前月比2.1%上昇で、8ヶ月ぶりの低水準でした。2023年末に211%まで達したインフレはどこまで落ち着いたのか。安定化の数字と、その足場の頑丈さを読み解きます。

世界銀行が6月に公表した中南米・カリブ海地域の2026年GDP成長率は2.2%。アルゼンチンが3.6%を保つ一方、メキシコは1.3%へ持ち直すものの水準は低いままです。中東紛争によるエネルギー価格の上昇と公的債務の重さが影を落とすなか、成長の果実が誰に届くのかを読み解きます。

インフレは2025年通年で31.5%まで低下し8年ぶりの水準、財政は14年ぶりの黒字。ミレイ政権の「成果」が並ぶ一方貧困率の改善は統計上の効果という指摘もある。緊縮が社会保障に与える影響を、現地報道をもとに解説する。

2023年に台湾と断交し中国へ。期待した14億人の市場は開かず、95以上の養殖場が閉鎖、2万5000人超の雇用が消えた。台湾向け輸出は1億ドル超から1600万ドルへ。2026年、新政権は方針の見直しに動く。

ボリビアが40年で最悪とされる経済危機に直面している。外貨準備は2014年の151億ドルから2026年3月末には35億ドル台へ激減し、ドル不足と燃料危機が暮らしを直撃する。閣僚が辞任し、パス大統領の退陣を求める抗議が続く。資源依存の崩れ方を現地報道をもとに解説する。

6月2日、トランプ政権がブラジル製品に25%の新関税を課す方針を打ち出した。「不公正な貿易慣行」を名目に挙げるが、背景にはボルソナーロ元大統領の訴追をめぐる政治的な対立も漂う。経済と政治が交差する関税の論理と、ブラジルの「中国という出口」の両義性を解説する。

米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の初回共同再審査が7月1日に実施され、米国は現行内容での更新に同意しませんでした。自動車・農業・原産地規則をめぐる交渉が、メキシコの輸出依存型経済をどう揺らすのか。事実を整理し、地域の暮らしや物価への影響という視点も交えて読み解きます。

中南米・カリブ海への送金は2025年に1,737億ドルと過去最高を記録した。だが米州開発銀行(IDB)は、移民の「過剰努力」が支えたこのブームに構造的な終わりの兆しを読む。2026年に何が起きるのかを解説します。

メキシコの2026年第1四半期GDPは前期比0.6%のマイナス(年率では0.4%のプラス)。2020年以降で最悪のQ1だった。輸出やニアショアリング投資は堅調だが、内需の弱さが影を落とす。シェインバウム政権の「プラン・メヒコ」の試練を整理します。

2026年に原油価格が急騰しても、中南米主要国の長期インフレ期待はほとんど動きませんでした。IMFは5月26日のブログで、これを「インフレ期待の錨(いかり)」という概念で説明します。25年かけて積み上げた中央銀行の独立性とインフレ目標制度が、外的ショックを吸収したという見立てです。安定はラテン的楽観ではなく制度の果実だ、という論点を整理します。

2026年第1四半期、メキシコの外国直接投資は235億9,100万ドルと第1四半期として過去最高を記録しました。ただし内訳の94.2%は既存企業の再投資で、新規投資は7.2%。さらに7月、USMCAの16年延長が見送られ、ニアショアリングの前提そのものが揺れています。

EUがブラジルを食肉輸出の承認国リストから外す措置が、9月3日に発効します。根拠は森林破壊規制ではなく家畜の抗菌剤規制。ブラジルは7月に追跡管理を強化し期限前の撤回を狙いますが、同時に米国の25%関税も効いています。

メキシコ中央銀行(バンシコ)は5月7日、政策金利を0.25ポイント引き下げ6.50%とした。2022年4月以来の最低水準で、理事5人中3対2の接戦。2024年3月に始まった緩和サイクルが事実上終わりを迎えた局面を解説する。

2026年2月のペルーの実質GDPは前年比3.68%増。地域平均を1ポイント近く上回る成長を、銅と金の高値が支えています。一方でその高値は違法採掘を呼び込み、先住民の土地と川を蝕みます。

決選投票から2週間、ペトロ大統領が「不正」を主張して選挙結果の承認を拒み、政権移行プロセスが停止。EU監視団は選挙を有効と認定しています。移行実務「ノアの方舟」の空転がもたらす実害と、8月7日就任式までの展望を解説します。

2026年上半期のジャマイカは殺人24%減・銃撃27%減。しかし警察との衝突の致死率は約25%上がり、独立捜査委員会(INDECOM)は143件の致死事案を調査中です。「殺人の減少」は市民の安全を意味するのか。統計の選び方が結論を決める構図を解説します。

米国の移民・関税執行局(ICE)の収容中または作戦中に死亡したメキシコ国籍者は17人。メキシコ外務省は7月9日に法的手段を発表し、13日から米連邦・州の検察への告訴、収容施設運営企業への警告書、米州人権委員会と国連への申し立てに踏み切りました。

ACLEDの7月概況によれば、エクアドル・マナビ州では6月、組織犯罪による民間人への暴力が少なくとも63件と、観測を始めた2022年以来最悪を記録しました。マンタ港をめぐるロス・チョネロスとロス・ロボスの抗争、そしてノボア政権の強硬策の限界を、中南米ウォッチャーの視点で読み解きます。

米国務省は7月1日、エクアドルの犯罪組織「チョネ・キラーズ」を外国テロ組織(FTO)に指定しました。資産凍結と物質的支援の刑事罰化という法的効果、指定が実際に何を変えるのかという疑問、そして指定後に進んだ米エクアドル軍事協力を整理します。

メキシコ政府が史上最大の先住民協議を開始。先住民族とアフロメキシコ人の権利に関する一般法の草案について、全国1万6728のコミュニティから意見を聴取します。規模より「結果が条文に反映されるか」が問われる理由を解説します。

6月24日、ベネズエラをM7.2とM7.5の地震が39秒差で襲い、震源から離れた首都カラカスと港湾都市ラ・グアイラを中心に壊滅的被害が出た。7月19日時点で死者5,208人、負傷16,740人、行方不明5万人超。燃料封鎖と医療崩壊の上に重なった災害の構図を解説します。

アルゼンチン政府が政令407号を公布し、失効状態の産業別労働協約(当初150件、6月に446件へ拡大)を強制的に再交渉させる仕組みを導入。2月の労働改革法に続く動きです。産業別協約という「賃金の床」が空洞化するとき何が起きるのか、労使双方の言い分とともに解説します。

2026年上半期、ハイチでは2300人以上が殺害され、約150万人が住む場所を失いました。国連が後押しする「ギャング鎮圧部隊(GSF)」は4月にチャド軍が到着し実動フェーズへ。6月には国連事務総長がポルトープランスを訪問しました。2026年6月17日時点で、続報の焦点を解説します。

エルサルバドル発の「鉄の拳」政策が各国に広がり、米国は2025年に主要カルテルを外国テロ組織に指定しました。ところが強い圧力は組織を壊滅させるどころか、「より小さく、より危険な」形へ変えているという分析が出ています。2026年6月2日にInSight Crimeが紹介したACLEDの分析をもとに、中南米の組織犯罪の構造転換を解説します。

6月12日、トランプ大統領は米軍がベネズエラ国内でトレン・デ・アラグア(TDA)の首謀者「ニーニョ・ゲレーロ」を殺害したと発表しました。作戦はベネズエラ治安部隊との共同とされ、1月のマドゥロ失脚後に発足したデルシー・ロドリゲス暫定政権と米国の安全保障協力という新しい構図に国際社会の目が集まっています。2026年6月13日報道時点の整理です。

ワールドカップ開幕の6月11日、ミチョアカン州ナワツェンで警官5人が射殺された。創設者を失って4か月、CJNGはプレペチャの自治地域へ侵入を深めている。祭典と暴力が同じ日に起きる理由を、僕なりに整理してみます。

エルサルバドルのブケレ式「鉄拳(マノ・ドゥーラ)」治安政策が、中南米各国の政治言語を塗り替えつつあります。チリやペルーで模倣を求める声が高まる一方、最も忠実に導入したエクアドルでは犯罪がむしろ増加しました。なぜこのモデルは持ち越せないのか、その構造的な違いを解説します。

6月21日のコロンビア大統領決選投票を前に、武装勢力による脅迫と衝突が各地で報告されていました。農村部では「暴力のない投票」という前提が崩れている地域も。誰がどこで戦っていたのかを整理します(決選はデ・ラ・エスプリエリャが制し、全国投票率は63.6%と過去最高でした)。

米国務省が6月5日、ブラジルの二大犯罪組織PCCとコマンド・ヴェルメーリョを外国テロ組織(FTO)に指定した。ブラジルの団体がリストに載るのは初めて。指定の即効性とルーラ政権の反発、企業のコンプライアンス・リスク、そしてテロ指定が現場の犯罪抑止に直結するのかを解説する。

選挙で選ばれた市長や町議が暗殺され、麻薬組織の脅しで職を辞す。ACLEDの集計では2025年の中南米で地方公選職者への暴力的事件は697件。世界第2位の危険地帯で何が起きているのかを整理します。

2026年のキューバでは、1日20時間に及ぶ停電、月1,000件超の抗議、国民の約一割にのぼる流出が進みます。島の内側で静かに進む社会の崩壊を、暮らしと社会インフラの視点から事実に即して整理します。

5月21日、ホンジュラス北部コロン県でアフリカンパーム農園の労働者少なくとも20人が射殺された。警察の制服を着た武装集団による犯行で、背後には長年の土地問題がある。

マドゥロ政権の崩壊から数か月。中南米各地に暮らす約800万人のベネズエラ移民の大半は、いまも帰国を選んでいません。「条件が整えば帰りたい」が44.7%、短期の帰国計画は1割あまり——。複数の調査が映す帰還の現実を読み解きます。

ハイチでは2024年から2025年末までにギャング絡みの暴力で1万1千人超が死亡した。ケニア主導の治安支援部隊は2026年4月に撤収し、国連が後押しする新たな「ギャング鎮圧部隊」が引き継ぐ。国家機能の崩壊と国際介入の限界を現地報道をもとに解説する。

米国から強制送還されメキシコに戻った人は、2025年1月から2026年4月までで20万3685人。シェインバウム政権の受け入れプログラム「México te Abraza」は発足から1年半になります。配られた支援の数と、実際に生活が立ち上がった人の割合。制度の実効性をどの指標で読むかを整理します。

エクアドルは2025年に殺人率10万人あたり51件と過去最悪を記録、中南米で最悪の水準が続く。ノボア大統領は非常事態・夜間外出禁止・米国との合同作戦で対抗する。強硬策の現在地を、現地報道をもとに解説する。

7月中旬の米上院公聴会で、国務省の西半球担当高官がニカラグアの現状を「容認できない」と述べました。背景にあるのは先住民ミスキトの指導者ブルックリン・リベラ氏の拘禁死と、100人超へのビザ制限。制裁という外交手段が何に効き、何に効かないのかを整理します。

7月6〜7日、キューバで直近6か月で3度目の全国停電。米国の石油封鎖で燃料備蓄が尽き、国連は人道支援物資170コンテナの搬入停止を指摘、グテーレス事務総長は「崩壊の恐れ」と警告しました。乳児死亡率の上昇など、数字で見る複合危機を解説します。

2021年7月11日の全国抗議「11J」から5年。人権団体の集計でキューバの政治犯は過去最多の1,306人にのぼり、記念日の旧ハバナでは再び鍋を叩く抗議が起きました。5年間変わらない停電・食料不足・医療の困窮と、米国の追加制裁をめぐる構図を解説します。

コロンビア次期政権の外相候補オマール・ブラ・エスコバルが、キューバ・ニカラグアへの大使館不設置と国連機関との協定見直しを表明。ペトロ路線からの全面転換と「アメリカスの盾」への合流が意味するもの、対話回路が一つ消えることのコストを解説します。

7月1日、トランプ米大統領が「パナマ運河を中国に渡さない」と改めて明言。発端はパナマ最高裁のCKハチソン違憲判断で、中国は報復にパナマ籍船を拘束(3月に約70隻、4月には136隻)。運河をめぐる米中の綱引きと、板挟みになる中南米の構図を読み解きます。

7月1日、リマの高等裁判所がチャンカイ港をめぐるCOSCOの訴えを退け、規制機関オシトランの監督権限を追認しました。7月28日に就任するケイコ・フジモリ政権が引き継ぐ、米中のあいだの舵取りを解説します。

6月30日、南米南部共同市場メルコスールの第68回首脳会議がパラグアイで開かれました。5月に暫定適用が始まったEU・メルコスール協定の恩恵を域内でどう分配するかが焦点。議長国はパラグアイからウルグアイへ移り、日本との交渉開始も発表されました。

6月24日のM7.2・M7.5連続地震を受け、米国はマドゥロ拘束からわずか半年で1.5億ドルの緊急援助とDART派遣を表明しました。制裁下の敵対国になぜ巨額援助なのか。中国との災害外交・ソフトパワー競争、そして援助が本当に被災地へ届くのかという実効性の問題を解説します。

米大統領トランプの「完全かつ全面的な支持」を受けたアベラルド・デ・ラ・エスプリエラが、6月21日のコロンビア大統領決選投票を僅差で制しました。8月7日の就任後に米主導の安全保障枠組みへ合流すると表明。ペトロ政権で冷え込んだ米コロンビア関係の再接近が、中南米に何を問うのかを読み解きます。

2026年1月3日、米軍の作戦でベネズエラのマドゥロ大統領が拘束されました。ベネズエラは中国にとって中南米最大の債務国であり、石油を担保にした返済の枠組みが揺らいでいます。その後の半年で域内の政権交代も重なり、北京は関与戦略の見直しを迫られています。何が起きたのか、なぜ重要なのかを2026年6月時点で整理します。

米州開発銀行(IDB)の最新データで、2026年第1四半期の中南米・カリブ海諸国の対中輸出が前年同期比25%増と、主要相手国の中で最速の伸びを記録しました。対米輸出は14%増。米国が最大市場を保つ一方、南米では中国の存在感が増しています。関税不確実性のなかで進む貿易の多角化を、2026年6月時点の数字から読み解きます。

6月8〜18日にドイツ・ボンで開かれた国連気候変動の中間会合(SB64)が閉幕しました。COP30ベレンで合意した「適応資金3倍化」は文言に落とせず、11月のCOP31アンタルヤへ丸ごと持ち越し。中南米・カリブにとっての意味と、そこまでの日程を整理します。

2025年12月、中国が中南米向け第三次政策文書を発表しました。米国は対抗を宣言しますが、ホンジュラスの対台湾エビ輸出の急減や、主要3か国を外した首脳会議が示すのは、二択に収まらない現地の実情です。

6月8日、Foreign Policy誌に「米国はラテンアメリカから中国を排除できない」という論考が載りました。大豆貿易の構造変化と各国の自律性から、その理由を僕なりに読み解きます。

米国通商代表部が通商法第301条にもとづき、強制労働品の輸入管理が不十分だとして60カ国に追加関税を提案しました。メキシコとエクアドルが含まれた背景と、中南米全体への余波を整理します。

2026年1月、米軍がベネズエラで実施したと報じられた軍事作戦に、トリニダード・トバゴが基地を提供したと伝えられました。カリブ共同体CARICOMは前例のない内部分裂に直面しています。背景と論点を僕の視点で整理します。

IMFは2026年5月21日、アルゼンチン向け拡大信用供与(EFF)の第2次審査を完了。約200億ドルの大型プログラムで、インフレは劇的に低下したが、年金の実質目減りなど痛みも積み上がる。改革の持続力を整理します。

石油に沸くガイアナの国土の約3分の2を占めるエセキボ地域をめぐり、ベネズエラとの領土紛争が国際司法裁判所(ICJ)で争われている。2026年5月に口頭弁論が開かれ、ガイアナは1899年の国境画定の有効性を主張した。石油と主権と国際法が交差する紛争を解説する。

2023年に台湾と断交して中国と国交を結んだホンジュラスが、その選択を問い直しています。2025年末の選挙で勝利し2026年1月に就任した親台湾派のアスフラ大統領は、中国との合意を精査すると表明。期待した経済的利益が伴わなかったことへの幻滅が、外交ベクトルの再考を後押ししています。中米における米中の競争という文脈から読み解きます。

20年以上の交渉を経たEU・メルコスール協定が2026年5月1日に暫定適用へ。ブラジル等4カ国とEUの間で貿易の9割超をカバーする関税削減が動き出しました。完全発効までは環境・農業・政治の三つのハードルが残ります。

パナマ最高裁が香港系CKハチソンの港湾運営権を違憲と判断した。中国は報復としてパナマ籍船の拿捕に動き、3月だけで約70隻が止められた。米中の綱引きの縮図を解説する。

3月7日、トランプ大統領が中南米・カリブ海17カ国を集めて対カルテル連合「シールド・オブ・ジ・アメリカス」を発足させた。だがブラジル・メキシコ・コロンビアは欠席した。底流にある対中国を読む。

チリで3月、政権移行期の表舞台を一本の海底ケーブルが占拠した。中国国有企業が計画する香港—バルパライソ間の光海底ケーブルをめぐり、米国がチリ当局者のビザを取り消し、現職と次期大統領の引き継ぎ会談はわずか22分で決裂。輸出依存の小国が「中国か米国か」を迫られる構図を解説する。

関税、ベネズエラのマドゥロ拘束、パナマ運河の「取り戻す」発言——2026年、トランプ政権の対中南米政策が地域を揺さぶっている。力で押す外交の現在地を、現地報道をもとに整理する。

2026年7月17日、強い前線システムがチリの16州のうち10州を直撃し、SENAPRED集計で4人死亡・6人負傷、ピーク時に40万を超える世帯が停電しました。帯電したバス停での感電など、被害はインフラと生活の接点に集中——南半球の気候リスクを読み解きます。

7月16日、メキシコ政府はアトヤク川・レルマ=サンティアゴ川・トゥラ川の浄化に今任期中200億ペソ(約11億米ドル)を投じると発表しました。汚染排水3202カ所を特定して公開したこと、そして歴代政権が同じ約束を繰り返してきた歴史から、この計画の何が新しいのかを読み解きます。

COP30で先進国が気候資金の拡大を約束してから数か月。それでもアマゾンの森に生きるコミュニティに届く資金は限られています。仲介機関を何層も経由する設計、土地権利の壁、そして現場で始まった実験。「経路」の問題を解説します。

コロンビアで気候変動・環境劣化・自然災害を国内強制移住の正式な原因と認める法律2577号が成立。ラテンアメリカ初の立法です。環境移住者の統一登録簿の創設と「気候移住」の定義づけが始まる意味を、社会保障制度の視点から解説します。

伐採面積は10年ぶりの低水準なのに、山火事は3割増。すでに発生したエルニーニョを前に、ブラジルは火災対策予算を28%増やし消防士4,410人を追加採用しました。「違法伐採の道具としての放火」と、届かない気候資金の問題を解説します。

INPEの衛星データによると、2026年1〜6月のアマゾン森林破壊は1,295平方キロで前年同期比38%減、2016年以来の低水準となりました。ただし数字が測っているのは「皆伐」だけ。約40%に広がる「劣化」とエルニーニョの乾季という2つの変数を解説します。

6月21日のコロンビア大統領決選投票でエスプリエラが約25万票差で勝利。新規油ガス探鉱を止めたペトロ路線が反転すれば、アマゾン1,800万ヘクタールと中南米の気候政策が大きく揺れる可能性を解説します。

世界気象機関(WMO)は2026年6月、エルニーニョの発生確率を6〜8月で80%と公表しました。最も極端なシナリオでは前例なき規模になりうるとの分析も。乾燥と豪雨が交錯する中南米、そしてパナマ運河への影響を読み解きます。

チリ全体で33のデータセンターが稼働し、さらに34が認可手続き中。中南米最大級のクラスターを抱えるサンティアゴ北郊のキリクラ湿地では、冷却に使う地下水と15年以上続く大旱魃が重なり、水鳥が集まった湿地が目に見えて乾いています。

2026年、メキシコシティは「Day Zero」のリスクを抱える世界8都市の一つに数えられました。2200万人の都市圏のうち1500万人が週3日・1回4時間しか給水を受けられない現実の背景にある、過剰揚水・地盤沈下・気候変動・予算削減の構造を解説します。

アマゾン協力条約機構(OTCA)が2026年の最大の気候リスクにエルニーニョを挙げた。NOAAは5〜7月の形成確率を61%と見る。弱〜中程度でも、乾いた土地の上では小さな火種が大きな炎になる——その仕組みを整理します。

アマゾンの違法金採掘は一国では止まりません。7か国が地域戦略を議論してから1年、署名された合意文書はまだない一方、国際刑事警察機構(ICPO)の支援を受けた越境作戦は198人逮捕という数字を出しました。乾季を迎えた2026年の到達点を整理します。

ブラジル下院が、アマゾンの森林破壊を衛星画像で取り締まる仕組みを制限する法案を可決しました。事前通知と弁明の手続きを挟めば対応は遅れ、その間に木は倒れます。舞台が上院へ移った局面を、統治と情報公開の観点から整理します。

ブラジル政府は5月27日、アマゾンを縦断するBR-319号線の整備に7500万ドルを投じると発表した。環境保護計画も同時に示したが、環境団体は懐疑的だ。2025年11月にCOP30を主催したばかりのブラジルの矛盾を解説する。

世界気象機関が2026年5月に公表した報告書は、熱帯アンデスの氷河が1980年代以降に面積の3割以上を失い、9000万人の水を脅かしていると警告しました。氷河に依存する大都市の蛇口の問題として、そして水と公衆衛生、脆弱な地域社会への影響として、僕の視点で読み解きます。

ブラジル連邦最高裁は2026年5月21日、ジャマンシン国立公園を縮小する2017年の法律を8対1で合憲と判断しました。これによりアマゾンを縦断する全長933kmの大豆鉄道「フェログラン」が、法的障壁の一つを越えました。ただし建設認可ではなく、許認可はまだ残っています。環境団体と先住民族の反発を含め、何が決まり何が残ったのかを解説します。

世界気象機関(WMO)が2026年5月、「中南米・カリブ海地域の気候状況2025」を発表しました。記録的な熱波と旱魃、ペルー・エクアドルの洪水、ジャマイカ史上初のカテゴリー5ハリケーン、加速するアンデス氷河の後退。COP30から半年、域内で積み重なる気候の現実を解説します。

アマゾンが不可逆に変わる温度は3.7〜4度。これが従来の常識でした。5月のNature論文は、伐採が進めばその崩壊点が1.5〜1.9度まで下がると示します。パリ協定の目標と重なる水準です。

2026年4月時点で2055件の臨界鉱物の採掘申請が、ブラジルの先住民族領域内または境界10km以内に重なっています(対象278地域=全体の44%)。リチウムやニオブを求める「グリーン転換」の圧力が、先住民族の土地に迫る構図を整理します。

アルゼンチン・ボリビア・チリの「リチウム・トライアングル」が、脱炭素時代の鉱脈として世界の争奪戦の的になっている。チリではコデルコとSQMが2060年までの共同事業を立ち上げた一方、塩湖周辺の先住民コミュニティには亀裂も走る。資源と環境と人権の交差を解説する。

エクアドル国会が2月26日、鉱業セクター強化のための法律を賛成77・反対70の僅差で可決した。環境ライセンスをリスク水準に応じた環境認可へ再編する内容で、環境団体と先住民族組織が反発。IMFとの取り決めを背景に、外資誘致と環境保護がぶつかる現場を解説する。

AP通信などが2026年2月に報じた現地調査によると、ペルーのアマゾンで違法な金採掘が広がっています。長年の中心地マドレ・デ・ディオス州を越え、ロレト州やウカヤリ州など、より遠隔の地域へ前線が伸びています。背景にあるのは1オンス約5000ドルという史上最高値圏の金価格。水銀汚染と森林破壊、先住民への被害が懸念されています。

2025年11月、初めてアマゾンで開かれた気候会議COP30。化石燃料の段階的廃止も森林保護のロードマップも最終文書から外れ、会議の数日後にはブラジル議会がアマゾンの保護策を緩めた。理想と現実のずれを、現地報道をもとに解説する。

アルゼンチンで障害給付をめぐる綱引きが続いています。議会が大統領の拒否権を22年ぶりに覆して成立した「障害緊急法」、主管機関ANDISの解体、そして2026年4月に上院へ送られた「不正対策」法案。補装具の公定価格廃止まで含む内容を、日本の制度と対照しながら解説します。

6月24日の双子地震から2週間、PAHOが評価報告を公表し2,400万ドルの緊急医療支援を要請しました。医師の3分の1が国外流出済みの医療体制、感染症アウトブレイクのリスク、そして復興期の障害者支援まで、保健医療の視点から解説します。

PAHOがエルニーニョ(2026〜2027年)の保健影響分析を公表。コレラ・デング熱など6疾患のリスクに加え、精神保健を主要リスクとして明記しました。洪水と干ばつが生む非対称な健康リスクと、障害のある人・慢性疾患を抱える人への影響を、保健医療の視点から解説します。

PAHOの7月9日抽出データで、2026年の南北アメリカのチクングニア熱は16万4856件、死亡74件。最大の被害はブラジル・マットグロッソドスル州で、なかでもドゥラドス市の死者17人のうち12人は同じ二つの先住民集落の住民でした。数字の内訳から流行の形を読みます。

7月6日の世界人獣共通感染症デーに合わせ、FAO・WOAH・PAHO/WHO・UNEPの四者同盟にIICA・OIRSAを加えた6機関がアメリカ大陸でワンヘルスの共同宣言に署名しました。人・動物・環境の健康を分けずに守る取り組みの意味と、実施体制や格差の課題、弱者保護の視点を解説します。

8月1日、チリの障害・遺族保険(SIS)が新しい社会保障年金保険の給付のひとつになります。事業主が納める2.5%は独立基金FAPPへ。ただし運営はAFPに残り、初回入札は2027年8月。何が変わり、何が変わらないのかを解説します。

7月1日、PAHOが南半球の季節性インフルエンザに関する疫学警告を発出。H3N2に加えインフルエンザBの割合が上昇し、RSウイルス・新型コロナも共循環しています。医療体制への負荷と、施設・地方でのワクチン接種の課題を保健医療の視点から解説します。

汎米保健機構(PAHO)は2026年6月24日、コロンビア・エルサルバドル・グアテマラ・ハイチ・ホンジュラスの5カ国で約2500万ドルの保健事業を立ち上げたと発表しました。直接110万人超・間接90万人近く、合わせておよそ200万人が対象です。資金難の組織が最前線をどう支えるのかを読み解きます。

汎米保健機構(PAHO)が6月15日、中南米・カリブ海でジフテリア症例の急増を受けて緊急警告を発しました。2026年の最初の21週で163件・死者5名と、すでに2025年の年間症例数の2倍超。なぜワクチンも治療法もある病気で人が死ぬのか、公衆衛生の視点から解説します。

汎米保健機関(PAHO)が第178回執行委員会を開会しました。抗菌薬耐性とアルボウイルスの大型戦略を審議する一方で、220ポスト削減という財政の現実が会議に重く影を落としています。野心的な計画と縮む実施能力の落差、そして中南米保健政策の現在地を読み解きます。

2026年4月、アルゼンチン南端ウスワイアを出港した南極クルーズ船で、南米固有の「アンデスウイルス」によるハンタウイルス感染が発生しました。WHOへの通知は5月2日、5月8日時点で8人が感染し3人が死亡。船という閉鎖環境とヒト-ヒト感染という特異性、そしてPAHOの地域対応を整理します。

世界銀行は6月9日、中南米・カリブ海の一次医療に20億ドル超を投じるポートフォリオを公表しました。2030年までに1億5千万人へ必須サービスを届ける目標です。PAHO・IDBとの三機関同盟は実は2023年末発足。1か月半が経った今、初年度の進捗をどう読むかを解説します。

6月3〜4日、メキシコ・カンクンで中南米19か国が集まり、小児がんの放射線治療へのアクセス向上を話し合った。PAHO・セント・ジュード・IAEAが主催。設備不足と人材不足という地域共通の課題が浮き彫りになった。

南北アメリカで2026年に入って麻疹の感染が2万1千件を超えました。PAHOの報告ではメキシコとグアテマラの2カ国で約83%を占めます。感染者の約85%が未接種か接種状況不明。W杯期間の旅行者への勧告まで、起きていることを整理します。

アフリカで続くエボラ流行を受け、汎米保健機構(PAHO)が6月、域内のリスクが「低い」とされる中でアメリカ大陸全域の備えを一斉に強化しました。なぜ感染者ゼロのうちに動くのか。その論理を読み解きます。

6月3日、汎米保健機構(PAHO)のバルボーザ事務局長がOASで2025年次報告を発表しました。前向きな成果報告の裏に、PAHO自身の予算を次の2年で19%削るという数字が。USAID撤退と重なる「二重の縮小」が中南米の保健に何を突きつけるのか、障害・社会保障の視点から考えます。

米国際開発庁(USAID)は2025年に5300件超の助成金・契約を終了させ、失われた資金は総額270億ドルに上る。ランセット誌の論考をもとに、ラテンアメリカの公衆衛生研究が抱える構造的な依存と、その先の問いを解説する。

PAHO(汎米保健機構)とコロンビア保健省が5月27日、ボゴタで非感染性疾患(NCDs)対策のワークショップを開きました。心疾患・糖尿病・がん・慢性呼吸器疾患をどう一次医療に組み込むか——専門病院依存からプライマリケア中心へ。アメリカ大陸全体の2025〜2030年行動計画とも連動する動きを解説します。

コロンビアの医療制度が崩れかけている。医療保険を担うEPS28社のうち15社が破綻寸前、加入者は3,000万人超。4年がかりの改革法案は2025年12月に上院第7委員会が廃案を議決し、6月20日の会期末で確定的に潰えた。継続的なリハビリや補装具支給を頼る障害のある人への影響を、補装具研究の視点から解説する。

2023〜24年に南米で起きたオロプーシェ熱の流行は、確定報告1万3千件に対し、実際の感染は940万件規模と推計された(ネイチャー・メディシン誌)。妊婦から胎児への垂直感染と先天性障害のリスクが新たな焦点に。流行の「その後」=障害支援の地域差という論点まで整理します。

障害者権利条約(CRPD)採択20年の節目にあたる2026年、その4月30日にPAHO・ECLACがRIADISの協力で地域報告書を公表しました。通常医療でも緊急時でも残る障壁と、比較可能なデータの不在という積年の課題を、補装具研究を専門とする筆者が解説します。

汎米保健機構(PAHO)が2026年4月29日、南米9カ国の医療労働市場を初めて横断比較した報告書を公表しました。医師・看護師が首都圏に集中し、農村・辺境では深刻な人材不足が続くと警告。中南米・カリブでは2030年までに60万人の医療人材不足が見込まれています。一次医療の空白が何を招くのかを解説します。

2026年、中南米では障害者の所得保障が正反対の方向へ動いています。アルゼンチンは非拠出制の障害年金を絞り込む改正案、メキシコは憲法レベルで権利保障を強化。補装具・障害政策の視点から、その意味を解説します。

汎米保健機関(PAHO)が中南米・カリブの長期ケアに関する政策ブリーフを公開した。65歳以上の約14.4%・計800万人が日常的な支援を要し、その約7割を家族内の女性が無償で担う。家族頼みの介護が構造的な限界に達しつつある現実を、障害政策・社会保障の視点から解説する。

米州では2024年にデング熱が約1,300万件と過去最多を記録し、2025年も440万件超・死者2,207人を数えた。2026年は前年比で大きく減ったが、4つの血清型が同時に流行し、気候変動が蚊の生息域を広げる。流行の波と、波が引いたあとに問われる保健システムの備えを解説する。

2026年3月、PAHOは南米での黄熱の持続的な伝播を警告しました。あれから4か月。ブラジルのサンパウロ州とコロンビアのトリマ県という「これまで流行地ではなかった場所」で何が起き、何が変わったのか。7月時点の数字で整理します。

米軍作戦でマドゥロが拘束され、ベネズエラは暫定政権下で不安定な政治移行に入った。崩壊した医療制度を政治の強制的な転換が立て直せるのか、医学誌ランセットが問う。

中南米の「国家ケアシステム」は誰かの発明ではない。フェミニスト経済学が無償ケアを可視化し、CEPALが地域アジェンダに育て、ウルグアイが最初に制度化し、IDBやPAHOが推進した——20年の系譜をたどる。

ケアを国の仕事にする形はひとつではない。法律で全国システムをつくるウルグアイとチリ、街にケアの拠点を張りめぐらせるボゴタ。中南米で先を行く三つの実例を見ていく。

中南米でいま、子ども・高齢者・障害のある人のケアを家庭(特に女性)の無償負担から、国が支える「ケアシステム」へ変える動きが広がっている。CEPALの「ケアの社会」という新しい枠組みと、その意味を解説する。

7月20日と27日、メキシコ・オアハカで先住民文化の祭典「ゲラゲッツァ」が開かれます。サポテコ語で「贈り物の相互交換」。16の民族グループが踊りと産物を贈り合う祭りの構造と、観光化・移民コミュニティとの関係を解説します。

第17回ボゴタ映像マーケット(BAM)が史上最多の2,336人を集めて閉幕。Netflixと連携した国際プログラムが始動し、和平合意10年の「記憶のナラティブ」も特集されました。年2本だった映画公開が10年で548本に──映画法から20年あまりのコロンビア映像産業を解説します。

7月11日、アルゼンチンが延長戦の末にスイスを3-1で下しW杯準決勝へ。決勝トーナメントに進んだ南米勢で残ったのは1チームだけになりました。7月15日のイングランド戦は1986年の「神の手」以来の因縁のカード。ただし大陸の応援は2022年ほど一枚岩ではありません。

7月24日からドミニカ共和国のサント・ドミンゴで第25回中米・カリブ海競技大会(JCC)が開幕。1926年創設から100年、37の国・地域から6,000人超が参加するアメリカ大陸最古のマルチスポーツ大会の見どころと、分断の時代に地域大会が持つ意味を解説します。

7月5日と7日、W杯2026のベスト16でラテンアメリカ勢の明暗が分かれました。共催国メキシコはイングランドに2-3で敗退。アルゼンチンはエジプト相手に0-2から3点を奪い返す逆転劇でベスト8へ。コロンビアとブラジルの敗退も含め、中南米サッカーの視点で読みます。

7月25〜31日、コロンビア第2の都市メデジンでラテンアメリカ有数のファッション見本市「コロンビアモーダ」が開かれる予定です。37回目の今年はテーマに「唯一無二こそが新しい贅沢」を掲げ、会期も1週間に拡大。1907年に始まった繊維の街の産業転換を読み解きます。

6月29日(日本時間6月30日)、W杯2026ラウンド32でブラジルが日本を2-1で下しベスト16入り。佐野海舟の先制を、カゼミーロとマルティネッリが逆転しました。試合を相手・ブラジルの視点から読み、48チーム制と南米サッカーの厚みを解説します。

6月27日からペルー高地都市アヤクーチョで国内最大級の食フェア「ペルー、ムチョ・グスト」2026年版が開幕。50社超が出展し、首都偏重だった食文化外交を地方に開く戦略の試金石となる。なぜアヤクーチョなのかを解説します。

6月25日、FIFAワールドカップ2026グループE第3節でエクアドルがドイツを2-1で破り、ノックアウトステージ進出を決めました。UEFA加盟国に勝ったのは2013年以来。48チーム制が生む「ジャイアントキリング」の意味を解説します。

2026年6月24日、ブラジルがスコットランドを3対0で破りグループC首位通過。ヴィニシウスは3試合連続ゴールで通算4得点。メキシコはチェコを3対0で下し3戦全勝、アルゼンチンもメッシを軸にグループJを制しました。南米6カ国のうちラウンド32に進んだのは5カ国。ラテンアメリカ勢のグループステージを振り返ります。

史上初の48チーム制で開幕したW杯2026。第1節を終えて、南米で白星を挙げたのはアルゼンチンとコロンビアのみ。開催国メキシコは2連勝で突破一番乗り、カリブの小国は歴史的な初舞台に。2026年6月19日・第1節終了時点で、中南米勢の明暗を読み解きます。

6月24日、ペルーのクスコでインティ・ライミ(太陽の祭り)が開かれます。インカの儀礼を再現する大規模な祭典に毎年10万人以上が集まり、今年はアンデス共同体(CAN)の4カ国が共同観光ブランド「Caminos Andinos」を展開。観光と先住民族文化のあいだの問いも考えます。

メキシコのロックバンド、マナー(Maná)が2026年6月11日、結成40周年を記念する「Vivir Sin Aire ツアー」の中南米日程を発表しました。11〜12月にボゴタ・リマ・サンティアゴ・ブエノスアイレス・メキシコシティの5都市を巡ります。W杯開幕式での演奏と同じ日に告げられた発表の中身を、事実ベースで整理します。

2026年W杯の開会式で、オアハカ出身の歌手リラ・ダウンスがスペイン語・英語・ミシュテク語の三言語で世界を迎えました。先住民言語が世界規模の舞台で公式の言葉として響いた意味と、祭典の恩恵を誰が手にするのかという論点を、僕の言葉で読み解きます。

2026年W杯が北米3カ国で開幕。大会中に39歳になったメッシにとって最後の大会になる公算が大きい。中南米・カリブからは史上最多の10チーム。経済の苦しさのなかで、サッカーが果たす役割を考えます。

6月11日に開幕するFIFA2026ワールドカップにハイチが出場する。1974年以来52年ぶり。代表は予選全試合を国外で戦い、本拠地のスタジアムは武装ギャングに制圧されたままだ。

2026年6月、リオの歴史的劇場で第33回ブラジル音楽大賞が開かれ、北東部出身の若手歌手ジョアン・ゴミスが最多受賞。故カズーザへのトリビュートとともに、ニッチに分化したブラジル音楽市場の今を読み解きます。

英タイムアウトの「世界の食の都ランキング」2026年版で、ペルーの首都リマが1位になりました。150都市・2万4000人超の住民調査がベース。何が評価されたのか、そしてセビーチェ・アンティクーチョ・ロモ・サルタードを実際にどこで食べるのかまで解説します。

6月8〜14日、コロンビア第2の都市メデジンで第20回国際タンゴ祭が開催中。40以上の無料イベントが街を埋める。きっかけは1935年、この地で墜落死した歌手カルロス・ガルデルだった。

2026年FIFAワールドカップが6月11日、メキシコシティで開幕した。メキシコは1970年・1986年に続く史上初の3回開催国に。開幕式の顔ぶれと「3度目」の意味、そしてスポーツの祝祭と市民生活のあいだの温度差を、中南米の今と重ねて解説する。

ブラジルの6月はフェスタ・ジュニーナの季節。カンピナ・グランデの「世界最大のサン・ジョアン祭」は6月3日に開幕し33日間続いた。345万人の来場、フォホーの音色、ワールドカップと重なる2026年の6月を解説する。

2026年4月13日、リオデジャネイロのコパカバナパレスで開かれたミシュランガイド リオ・サンパウロ2026の発表式典で、サンパウロのEvvaiとTujuが三つ星を獲得しました。ラテンアメリカで三つ星が誕生したのは史上初。世界でも160軒に満たない最高位の一覧にブラジルが名を連ねた意味を読み解きます。

2026年2月、スーパーボウルのハーフタイムショーをプエルトリコのバッド・バニーが飾った。ラテン系ソロ初のヘッドライナー、ほぼ全編スペイン語、視聴者1億2,820万人。なぜこの15分が文化的な事件だったのかを、スペイン語を学ぶ立場から書く。

ペルー・リマの日系(ニッケイ)料理店「マイド」が、世界のベストレストラン2025で世界一に輝いた。日本の技法とペルーの食材が出会うニッケイ料理は、移民の歴史が生んだ食文化だ。日本と中南米をつなぐこの一皿の意味を、両方を旅した立場から書く。